私は1966年以来、世界の子どもを撮り続けています。日本の子どもとあわせて考えると私の写真人生と同じくらい子ども写真とかかわってきました。世界の子どもをテーマに撮り始めようと考えた原点は「The Family of Man」の写真展と出会ってからです。そこに写し出されているヒューマンな写真の数々に心を打たれ、私も行くゆくはこのような写真を撮っていきたいと心に決めました。“人生はドラマだ”と私は思います。地球上に生を受けた赤ん坊は、両親や家族の手厚い保護を受けながら育っていきます。やがて仲間と遊び、次第に民族の一員、社会の一員になっていきます。人を愛することを覚え、悪に悩み、大人の仲間入りをしていきます。私はそんな人間のドラマを追い続けています。それは喜怒哀楽の4文字ではとても表現できない奥の深いものです。例えばチェルノブイリの原発事故で被爆して毛髪を失った少女の美しい瞳、イスラエルの小学校の鉄柵の中から満面の笑みを見せる少年たち、ヨルダンのパレスチナのサマーキャンプで顔全面に落書して仮装パーティを楽しむ少女、立場は違うが全身で楽しんでいます。また、どんなに苦しい境遇にあっても、生きることに全力でぶつかっているのが子どもたちです。私は彼らからそんなエネルギーをもらい撮影を続けているのです。もちろんこれからも生命ある限り子どもたちの魅力を撮り続けていきたいと願っています。