内蔵露出計を使ってマニュアルで撮影することは簡単です。フィルム感度を設定したら、後はカメラを構えるだけで、そのシーンからの反射光が計測されます。次に、ファインダーに適正な露出が設定されたことが示されるまで、絞りとシャッター スピードを調整します。適正な露出になったかどうかは、ファインダー内のしるしに針が合うか、ランプが点灯することによって示されます。
シャッター スピードと絞りを設定する際は、その被写体特有の条件を考慮します。たとえば被写体が動いている場合であれば、その動作をとらえるために速いシャッター スピードに設定し、適正な露出が得られる絞りを選択します。また、壮大な風景を撮影する場合ならば、まず前景から背景まで全体にピントがあって見えるように絞り込んだ値に設定し、それに合ったシャッター スピードを設定します。
マニュアル露出カメラでの部分測光
ほとんどの被写体は、カメラの露出計の通りに撮影しても、十分満足のいく写真になります。しかし場合によっては、そのときの状況を勘案して、場面の一部分のみを測光する必要があります。
たとえば、直射光があたり明るい部分と影で暗い部分があるなど光のコントラストがきつい場面では部分測光を行ないます。カメラ位置からとらえた場面全体を測光する方法では、その大半を占める領域、つまり前景や背景の明るさまたは暗さが測光結果に大きく影響します。メインとなる被写体(たとえば人物)が、相対的に大きい非常に明るい領域または暗い領域で囲まれている場合、露出計はメインの被写体ではなく、その背景に適した露出を示してしまいます。
このような状況では、部分測光を行う必要があります。たとえば、重要でない領域を測光しないために、メインの被写体(人物の顔または体)に近づいてクローズ アップの状態で測光します。 こうすれば、前景や背景の露出は多少犠牲になりますが、メインの被写体は適正に露出されます。クローズ アップでの測光を行う際は、自分やカメラの影が測光に影響しないように気を付けてください。スポット測光のできるカメラを使用する場合は、メインの被写体にスポット測光ゾーンの中心を合わせるだけで部分測光を行うことができます。
空が大きな領域を占めるような場合も部分測光が必要となります。通常、空は他の部分よりも明るいため、露出計はその影響を受けてしまいます。その結果、空に比べて暗い被写体はより暗く露出不足となってしまいます。このような誤差は、晴れた空よりも曇った空で大きくなります。この問題への対処方法としては、測光する際にカメラを少し下方に向けるという方法があります。こうすれば、空の明るさによる影響を抑えることができます。
逆光の場面では、被写体よりも背景のほうが明るくなり、また、被写体の後方からの光がレンズや測光セルに直接当たる場合もあります。これらの状況では、しばしばメインの被写体の露出不足が起こります。この問題を解決するには、クローズ アップでの測光を行い、余分な光が入ってこないようレンズにします。
ズーム レンズなら、クローズ アップでの測光を撮影位置を変えずに簡単に行うことができます。ズームを望遠側にあわせ、被写体の重要な部分を測光します。その後、実際に撮影する構図に戻します。シャッターを押すときに、露出計が露出過度または露出不足であると示していても、クローズ アップでの測光結果をそのまま使用しなければなりません。