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    技術情報

プロジェクション & フィルムエディティング


 

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映写室の静電気対策

電気によるフィルムのまとい付き対策を以下に列記しますので、参考にして下さい。

  1. 精密なデジタル式の湿度計(Radio Shack社製 約$25、またはEdmund Scientific社製 約 $30)を用いて、映写室内の湿度を監視します。

  2. コダックが推奨する相対湿度は50~60パーセントです。60パーセントを超えると、乳剤が湿気を吸い、粘着性が高くなります。 また、湿度が高すぎると、金属部品の錆や腐食を促 進してしまいます。逆に50パーセントより低くなると、フィルム表面 の電気伝導率が低下し、 静電気の消散が遅くなります。

    湿度を高める最良の方法としては、蒸発加湿器を使用する方法があります。 水滴を空気中に噴射する加湿器は、水中のミネラル分からしばしば塵が生じるので、使用しないで下さい。

  3. 湿度を50~60パーセントに維持できない場合、夜間はフィルムロールにプラスチックシートをテント状にかぶせ、 その下に、湿ったスポンジを入れたボールを置いて、フィルムロ ールに湿気を与えるようにします。 フィルムやプラッターを実際に濡らさないように注意して下さい。

  4. フィルムが接触するプラッター表面、プラスチック ローラー、ガイドバーなどの非伝導性表面 には、帯電防止スプレーを使用します。 場合によっては、そのスプレーをプリンターの側壁に噴射したり、問題のあるリール(通 常は最後の1つか2つ目のリール)のフィルム表面に直接噴射することもできますが、 液が目に見えるほど多量の塗布はしないように注意し、フィルムを巻き取る前に、完全にそれが蒸発したことを確認して下さい。

    プリントフィルムには、WD-40、オイル、シリコン、タルカムパウダーなどを使用しないで下さい。フィルムに過度の粘着性を与えたり、 その他の問題を引き起こす原因になります。

  5. ロールが中心を外れたり、遠心力によってプラッターから投げ出されないように、必ずプラッタークリップを使用して下さい。

  6. フィルムのカールは、スムーズな走行に影響します。カールしたフィルムの場合は、試しにフィルムを巻く方向を逆にしてみて下さい。 通常、プラッタ表面からサウンドトラック側を上にして巻いている場合は、カールの向きを変えるために、サウンドトラック側を下にして巻いてみます。 逆に、サウンドトラック側を下にして巻いている場合は、上にして巻いてみて下さい。

  7. 静電気によるまとい付きは、通常、最後の1~2個のリールで最もひどくなります。 長時間の映画の場合は特にこの傾向が強くなります。これは、プラッターの外側に近づくにつれて、 フィルムがずっと浅い角度でロールから離れるようになるからです。


  8. コダックは、ポリエステルベースのフィルムで実際にからみ合いが発生した場合に、フィルムおよび映写機の損傷を最小限にくい止めるため、 (フィルムの破損を検知するだけではなく)張力を感知するフェールセーフ(二重安全)装置の導入を常に推奨しています。 過度の張力が働くと、この装置は映写機を停止するか、またはフィルムをきれいに切断して、破損を最小限にとどめます。

    Kelmar社、Avask社、およびその他のプラッター メーカーが、様々な張力感知フェールセーフ装置を販売しています。

  9. コダックは、Stuart Audio Visual Amusement社(600 Cherry Court, Plainview, NY, 11803-2073、電話516-349-1777)によって製造された 「ノンスリップ プラッター ディスク」の評価試験を行いました。この装置は静電気を除去するものではありませんが、 フィルムの重なった部分が重要個所に進入するのを防止し、また、ロールがプラッター上ですべることも防止します。
  10.  

NATOおよびIntersociety Committeeは、静電気によるまとい付きの問題を研究するために、ボブ・ピンクストン氏を委員長とする委員会を設置しました。 コダックとフジは、様々なフィルムに見られてきたこの問題を深く理解するために、同委員会で緊密な協力体制を整えています。 コダックはすでに、静電気によるフィルムのまとい付き問題を緩和する方向でかなりの進展を遂げ、現在これを試験中です。

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スプライシング テクニック ― 通常幅スプライスと狭幅スプライス

ポリエステルベースのデュープネガやポジフィルムに先付けや後付けなどのタイトルやシーンの追加をする場合、通常幅の超音波スプライサーを使用しますが、このスプライス跡が映写時に見えるのではないか、という疑問が持ち上がっています。

現在の、高さ0.690インチのアナモフィック画像の場合、つなぎ目部分がスクリーンに映らないようにするためには、スプライス幅を60ミル(1ミル=1/1000インチなので約1.5ミリ)未満にしなければなりません。

つなぎ目を隠すために、狭幅の超音波スプライサーを利用できますが、このスプライサーは実際の焼き付けや現像処理作業には幅が狭すぎて信頼性がないため、ほとんどの現像所では一般的に使用されていません。同様に、アセテートベースのフィルムをつなぐ時の狭幅スプライサーも、一般的には使用されません。

カラープリントの生フィルムをつなぐために使われる幅が広めのスプライスは、リリースプリント(封切プリント)では問題になりません。生フィルムのスプライスはフレームラインに合わせることを気にしないで行われる場合が多いため、4回のうち3回は、スプライス跡がフレームの真ん中に来てしまいます。このような時は大抵、映写技師がそのフレームを抜いてテープスプライサーでつなぎ直します。

結論として、狭幅スプライサー(超音波、セメント共に)は信頼できるとはみなされず、滅多に使用されません。撮影用カメラネガフィルムのスプライス跡を隠すための選択肢として、ネガとプリンタータイミングテープの「ゼロカット」とを合わせた時に、A / B ロール チェッカーボード カッティングを使用してつなぎ目を見えないようにする方法があります。

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映写中に発生するポリエステル プリントフィルムの“ダスティング”について

ダストの元となるものは、フィルムの裏側(ベース面側)が映写 機によって剥離するために生じます。フィルム パス(通り道)の中でダメージを引き起こす可能性が最も高いのはゲート部分と、特に、フィルムをスプロケットに押しつける“シュー”と呼ばれる部分です。各フレームが所定の位置に送られるときに、シューがフィルムをこすることによって剥離させてしまう場合がよくあります。

プリントの裏側を鏡面反射光で見ると、エッジやパーフォレーション(フィルムのせん孔)の間にスクラッチ(引っ掻き傷)や剥離の形跡があることがわかります。映写機のゲートやシューの設計および材質によって、フィルムを剥離させやすいものがあります。ゲートとシューに沈着物がないようにして下さい(沈着物があるときには硬い歯ブラシと爪を使うか、マニキュア用の細いブラシなどを使用して取り除いて下さい)。 ばり、切り傷、ざらざらした部分がないか注意深く確認して下さい。

微弱な研磨性がある磁性酸化物を全面塗布した35mmシネテープ フィルムを映写機に通し、映写機の構成部品を研磨する技師もいます。ゲートと間欠シューにかかる張力をできる限り低くし、位置合わせが正しいことと、フィルムの両側で張力が均一にかかっていることを確認して下さい。

削られた屑がマゼンタ色をしている場合には、乳剤粒子が含まれていると思われます。乳剤面 が剥離したり、フィルムのエッジやパーフォレーションが擦り減ると、この種の屑が生じることがあります。新しく現像処理した“出来立て”のプリントでは、最初の数回、映写中に乳剤のダストを生じることがよくあります。

ポリエステルベースのプリント、トリアセテートベースのプリントよりもダスティングを起こしやすいという印象があるでしょうか。トリアセテートベースのプリントは、三酢酸セルロースと溶剤から成る“ドープ剤”で表面 をコーティングしながらフィルムベースの“型”をとります。 溶剤を蒸発・回収すると、固形のベース材料が残ります。トリアセテートベースは本来、無定型であるため、物性に関してはどの方向についても大きな違いはありません。

ポリエステルの場合、溶解および押し出しを行った後、分子がX軸方向とY軸方向に配向するように引き伸ばします。これにより、強度がきわめて高くなります。しかし、表面 が大幅に剥離して(Z軸剥離)、トリアセテートよりも多くの薄片やダストが生じることがあります。間欠シューの表面 が、粗いかざらざらしていると、シューの“こすり作用”による損傷が特に生じやすくなります。

ダスティング増大の原因となっているもうひとつの要因は、現像所がプリントにエッジワックス処理をしなくなったことが考えられます。エッジワックスは、ゲートやシュー部分での摩擦を減らし、剥離を少なくします。また、フィルムやパーフォレーションの摩耗を減らし、安定性を高めます。

コダックは1922年から潤滑効果のあるエッジワックスを推奨しており、現在でもそれは変わっていません。SMPTE推奨基準RP151でも、35mmプリントのエッジにワキシングを行うよう規定しています。しかし、パラフィン エッジワックスに使用されていた塩素化炭化水素溶剤は、環境上の理由(オゾン層破壊)で段階的廃止の対象となっています。現像所でこの作業を再開できるように、コダックはエッジワックスの代替法を研究してきました。

ダスティング低減に効果的だと思われる、映写機のパーツおよびフィルムへの“応急的”潤滑剤塗布方法としては、プリントがプラッター上にある状態で、プリントの側面 にSC Johnson社の“Paste Wax”を塗り、フィルムのエッジやパーフォレーションの部分に浸透させ、必要な潤滑性を与える方法があります。

ごく微量のペースト ワックスを軟らかいバフ布を使用してフィルムの側面 全体に均一に塗ります。このプリントを次に映写機に通すときには、プラッター上で反対方向に巻かれるので、プリントの両面 にワックスを塗ることができます。ワックスが多すぎると、サウンドトラックの読み取りが妨害されたり、ワックスがスクリーンに映ってしまうことも有り得ます。また、映写 機のパーツに溜まるため、ワックスを使用しすぎないようにして下さい。ほんの少量 で効果があります。

ペースト ワックスの塗布量は、10000フィート(長編映画1作品分)のプリントで、フィルム側面 片側あたりティー・スプーン1杯を超えない程度にして下さい。このワックスを使用するとフィルムが滑りやすくなるため、フィルムがプラッター上で滑らないように必ずプラッター クリップを使用するようにして下さい。

SC Johnson社の “Paste Wax”に含まれているワックス類とナフサ類の混合物は、少量 の使用であればフィルムを痛めないはずです。WD-40、スプレー式のワックス、オイル、シリコン等、他の潤滑剤は絶対に使用しないで下さい。粘着性の残留物が残り、フィルムから色素を浸出させることも考えられます。ペースト ワックスは、引っ掻き傷や剥離のない新しいプリントに使用すると最も効果 的です。

映写前に、映写機のゲートやシューをワックス(ペースト ワックス、スティック パラフィン、カルナウバ ワックス)で軽くコーティングする技師もいます。

*エスター(ESTAR)はイーストマン・コダック社の登録商標です。

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リキッド パラフィンを使用するエッジ ワックス

不揮発性の油性液体である“リキッド パラフィン”が、現像処理した映画プリントフィルムのエッジ ワキシングに使用されているケースがあるようです。

コダックは、プリントフィルムのタイプ2386やSO-886(トライアスロン)を含む、多数の現像処理済みフィルムにリキッド パラフィンを塗布して、1週間のインキュベーション(定温放置)試験を行いました。 パラフィンを塗布したフィルムをロールの形で保管し、悪い影響があればそれが最大限に現れるようにしておきました。
これは、フィルム クリーニング溶剤、ウェット プリンティング溶剤などによるフィルム損傷の可能性を評価するときに使用されている標準的なスクリーニング試験の手法です。
室温(約24℃)で1週間インキュベーションを行った後、試験フィルムのいずれについてもリキッド パラフィンによる損傷は認められませんでした。フィルムの裏面 (ベース面)には何ら悪影響は見られず、フィルムからの色素浸出もありませんでした。ただし、不揮発性の油性液体の影響で、粘着性の沈着物がフィルムに残りました。

当然、この油性液体はスクリーンに斑点として映し出され、ほこりの粒子を捕らえて離さないことが考えられます。従って、リキッド パラフィンは、フィルムベースや乳剤に影響を及ぼさなくても、フィルムの潤滑剤としての使用はお奨めできません。

代替法として、SC Johnson社の“Paste Wax”という製品をエッジ ワックスに使用することを推奨します。一般消費者向けのこのワックス製品には、ハードワックスの混合物(固形パラフィンとカルナウバ ワックス)を蒸発しやすいパラフィン様の炭化水素溶剤(ナフサ?)に溶かしたものが使用されています。

このペースト状のワックスを、巻いた状態のフィルム エッジにほんの少量 塗布すると、浸透して、プリントのエッジとパーフォレーションの部分にワックスが沈着します。慎重に塗布作業を行えば、ワックスは画像部分には入り込みません。このワックスは速やかに蒸発し、ハードワックスの薄い膜が残ります。
フィルムを映写機に通すとワックスがうまく広がります。唯一のリスクは、フィルムに塗る量 が多すぎると、映写機やサウンドヘッドにワックスが溜まってしまうことです。余分なワックスは溶剤によるクリーニングで除去できます。

コダックはこの2年間、SC Johnson社の“Paste Wax”をエッジ ワックスに使用してきましたが、きわめて良好な結果を得ています。この方法を使用したカスタマーからも、映写機のフィルム送りが改善され、プリントの表面剥離およびダスティングが減ったとの報告を受けています。慣れてくれば、このワックスの塗布は誰にでも簡単に行えるようになります。

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