像構造
特定のフィルムが作り出す像のシャープネスは、たった一つのテストで測定したり、一つの数値で表わしたりできるようなものではありません。例えば、解像力テストのデータは、画像の質をある程度示すことができますが、こういった値は撮影システム、またはその構成要素が持ちうるかぎりの最高解像力を表していますので、システム(または構成要素)の他のレベルでのディテール再現能力として表すことはできません。ディテールの質の更に完璧な分析には、モジュレーション トランスファー ファンクション(MTF )やフィルム粒状度等の評価方法がよく使われます。モジュレーション トランスファー カーブ、RMS 粒状度、そしてコントラストの高低時での解像力を調べることは、異なったフィルムの細部の画質を比較する際の基準となります。
モジュレーション トランスファー カーブ 14
モジュレーション トランスファー(変調伝達)は、異なった大きさの像を再現する場合におけるフィルムの能力に関係するものです。モジュレーション トランスファー カーブは、ある物体の細部の複雑な空間周波数を再現するフィルムの能力を表しています。物理的にいうと、その測定値は乳剤内における光拡散の画像に対する効果の度合いを表わすということです。最初にまず、良くコントロールされた指定の条件下で、図19 の(a )に似た一連のテストパターンがフィルムに露光されます。現像処理後、図(c )を得るために、画像(b )がマイクロデンシトメーターでスキャニングされます。

図 19 |
| 写真乳剤に記録された正弦波テストパターン(a )の写真像(b )、そしてその像のマイクロデンシトメーターによりトレースされた図形(c )。 |
測定結果は、周波数が高くなり、ディテールがより詳細になるにつれて、画像のコントラストが減少していくことを示しています。これらのコントラストの減少は、ディテールのサイズに影響を受けない画像部分のコントラストと数学的に比較されます。変化率、またはそれぞれのパターンの「変調」(M )は、E を露光とした時、次の公式で表現することができます。
| M = |
E max - E min

E max + E min |
マイクロデンシトメーターでテストフィルムをスキャンする際、トレースされた濃度は露光として解読され、像の実効変調(Mi )が計算されます。モジュレーション トランスファー ファクターとは、現像された像の変調の、露光パターンの変調(Mo )に対する比、つまりMi/Moのことです。 この比をレスポンスのパーセンテージとして縦軸(対数表)におき、パターンの空間周波数は横軸にサイクル/mm としておきます。 図 20 はこの2 つの曲線を示しています。拡大率が低い時、曲線A で表わされているテストフィルムは、曲線B で表わされているものよりもシャープに見えます。かなり高い拡大率の時は、曲線B で表わされているテストフィルムの方がシャープに見えます。

図 20 |
データシートに記載されているモジュレーション トランスファー カーブは全て、ANSI 基準 PH2.39 1977 で指定されているものに近い方法で測定されています。フィルムには特定の発光体を使って、結像面で公称値 35% の空間像変調を持ち、空間変化する正弦波テストパターンが露光され、指示どおりの現像処理が施されます。実際には、ほとんどの変調伝達値は現像時の隣接効果に影響を受けますので、特定の写真感光材の正しい光学モデュレーション トランスファー カーブとは厳密には一致しません。
モデュレーション トランスファーの測定は、システム全体の鮮明度を分析したり予測したりするために、カメラ、レンズ、プリンターなどのような、フィルム以外の撮影システムにも使うことができます。それぞれの曲線の縦座標に対するレスポンスを積算することで、フィルムのモデュレーション トランスファー曲線と、光学システムの同様な曲線を組み合わせて、システム全体のモデュレーション トランスファー特性を計算することができます。
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