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コダック スチューデント フィルムメーカーズ ハンドブック

カラー感度と分光感度 12

カラー感度 という言葉は、白黒フィルムのデータシートで、そのフィルムが感光する可視光線の部分を説明するために使われています。全ての白黒カメラフィルムはパンクロマチック(可視光線全体に感光する)です。ラボフィルムにもパンクロマチックのものがあります。 イーストマン ファイングレイン デュープリケーティング パンクロマチック ネガティブ フィルム、イーストマン パンクロマチック セパレーション フィルム、 イーストマン ハイコントラスト パンクロマチック フィルムがそれです。

オルソクロマチック と呼ばれ、可視光線中の主に青と緑に感光するフィルムもあります。イーストマン ダイレクトMP 、イーストマン リバーサル B/W プリント、イーストマン サウンドレコーデイング II フィルムは全て、オルソクロマティックのラボ用またはプリント用フィルムです。

白黒の画像のみを焼き付けたりするのに使われるフィルムは青色光のみに感光する青感性と呼ばれるものです。イーストマン ファイングレイン リリース ポジティブフィルム、イーストマン ハイコントラスト ポジティブ フィルム、そしてイーストマン ファイングレイン デュープリケーティング ポジティブ フィルムがそれです。

青色と紫外線に感光するフィルムもあります。イーストマン テレビジョン レコーディングフィルムがそれで、分光の紫外線域にまで拡張された感度は、フィルムがブラウン管の出力を記録することを可能にしています。

カラーフィルムとパンクロマチック白黒フィルムは可視光線の全ての波長に感光しますが、これらのフィルムが全ての波長に対して同等に反応するというのはまれです。 分光感度 とは、そのフィルム感度域内での分光に対する乳剤の相関感度を表したものです。写真用乳剤にはあらかじめ、感光性を持ったハロゲン化銀結晶が組み込まれていて、この結晶は、X 線、ガンマ線、紫外線、そして青の光の波長などの光エネルギーの放射に感光します。普通の写真乳剤では、感度は短波長(紫外線)の終わりから、大体250 ナノメーター(nm )まで感光します。これは写真乳剤に使われているゼラチンが、かなりの放射線を吸収するからです。乳剤のより長い波長に対する感度は、それに見合った色素を加えることで増幅できます。

この方法により、分光の緑の領域全体(オルソクロマチック白黒フィルム)、緑と赤の領域全体(カラーとパンクロ白黒フィルム)、そして赤外の領域にまで乳剤の感度を広げることができます(赤外線フィルム)。 図 16

カラーフィルム用の三つの分光感度曲線を以下に示しました。それぞれ赤感層(シアン発色色素)、緑感層(マゼンタ発色色素)、そして青感層(イエロー発色色素)です。データは、分光を通して10 ナノメーターの幅を持った光線帯域にフィルムを露光させて得たものであり、感度は特定の濃度を出すために必要とされる露光量 (エルグ/cm2) の相反則として表わされています。ナノメーターで表わされている波長を横軸にとり、感度の対数を縦軸 にとって、図 17 のような分光感度曲線を描くことができます。

Figure 16
図 16
フィルムの感光性

等価中性濃度 (END) —像の構成要素の量がこの単位で表されている場合、それぞれの濃度値から、その構成要素がどんな濃さのグレーを作るかがわかります。

カラーフィルムの各乳剤層には、それぞれの感度とコントラスト特性があるため、等価中性濃度(END )が、分光感度曲線で表わされる濃度の比較評価の基準として使われます。カラーフィルムで、分光感度を特定するために使われる標準濃度は次のとおりです。

リバーサルフィルム END = 1.0
ネガフィルム、ダイレクトデュープ、プリントフィルム
END= D-min よりも 1.0上

分光色素濃度曲線 13

露光済みのカラーフィルムを現像すると、フィルムの三つに別れた層にシアン、マゼンタ、イエローの色素像が形成されます。分光色素濃度曲線 (図 18) は、光の特定波長で測定した各色素の総吸収量や、同一波長で測定した組合わされた色素の視覚中性濃度(1.0 )を示しています。

リバーサルとプリントフィルムの分光色素濃度曲線は、特定の観察条件と測定条件で、視覚中性濃度が1.0 になるように平均化された色素を表しています。一般的に映写用のフィルムは、5400K の色温度の光で測定されます。カラーマスクが使われているフィルムの曲線は、中程度の中性被写体の典型的な色素濃度を表わしています。

ナノメーター(nm)で表わされる光の波長は横軸におかれ、それに対応する拡散分光濃度は縦軸におかれています。各色素は分光のそれぞれの帯域のみを吸収するというのが理想的ですが、使用される色素は皆、分光の他の帯域の波長も幾分か吸収します。プリントの際に色がうまく出ないなどの原因となるこの不要な吸収は、フィルムの製造段階で修正されます。

カラーネガフィルムでは、製造の際に乳剤各層に組み込まれる色素形成カプラーは着色されており、現像処理後のフィルムのD­ min に顕著に現われます。これらの残留カプラーは、ネガがプリントされる際に、不要な色素吸収を補整するという自動的なマスキングの役目を果たします。カラーフィルムがオレンジ色をしているのはこのためなのです。

普通カラーリバーサルフィルムとプリントフィルムは、直接映写するために作られていますので、色素形成カプラーは無色で、また、できるかぎり分光の各自の帯域のみを吸収する色素を形成するカプラーを選ばなければなりません。但し、これらのフィルムがプリントされる際には、プリント用マスクは不要となります。

Figure 17
図 17


Figure 18
図 18


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