特性曲線 11
特性曲線とは、フィルムの露光量とそれに対応する現像処理後の濃度の関係を図で示したものです。曲線の形成濃度値は、厳しくコントロールされたセンシトメーターで露光され、同様に現像処理までされたテスト用のフィルム片から測定されます。ある特定の用途で、特殊な光源に対する乳剤の反応の正確な情報を必要とする場合、(例えばナトリウム灯で照明された駐車場で撮影する場合)フィルムが実際に露光される光源をシミュレートするため、センシトメーターで露光する時にフィルターを使って、照射光を調節することができます。また、露光量をコントロールするため、定量的に変化する中性灰色濃度のステップをもった、ガラス乾板またはフィルムでできた特殊なステップタブレットが、テスト用フィルム片の表面に置かれ、一定の露光時間で露光されます。結果として、テストフィルム上に現われる濃度の範囲は、被写体が照明の広い範囲にわたって光を変調し、それによってフィルム上に露光の範囲(それぞれ違う濃度)を形成するといった、ほとんどの撮影条件をシミュレートするわけです。
現像処理後、テストフィルムに現われた段階濃度は、濃度計で測定されます。テストフィルム上のそれぞれのステップが受けた露光量 (ルクスで測定 1 )に露光時間(秒で測定)をかけて、露出値をルクス-秒の単位で算出します。 露光値 (log H) )の対数(基数10 )をグラフの水平軸に、それに対応する濃度を縦軸にとって、特性曲線を形成します。 この曲線は、
センシトメトリー曲線、 D Log H (またはE )曲線、 H&D (ハーターとドリフィールド)曲線 2 などとも呼ばれます。
次の図では、ルクス-秒の値は露光量の対数値の下に示されています。濃度値の左側には、それに相当する透過率と不透過率の値が示されています。
典型的な特性曲線

この図は前述の説明のとおりに露光され、現像されたテストフィルムの特性曲線で、ある特定の方法で現像されたある特定の種類のフィルムの絶対、または 実際 の特性曲線です。
時には、一つの濃度計による測定値と、別の濃度計による測定値を同じにしなければならないことがあります。これにはステータス濃度測定法が使われます。ステータス濃度とは、 フィルターなし の分光レスポンスに適合した濃度計の測定値のことです。(ドウソン、ボウグルソン著 「カラー濃度測定法のレスポンス機能」, PS&E ジャーナル、 Volume 17, No. 5 1973年9月/10月号) 一組の入念に組み合わされたフィルターがこのような濃度計に使用された場合、ステータスA 濃度測定法という言葉が使われます。カラーポジの感材(リバーサル、デュープリケート、プリント)の濃度は、ステータスA 濃度測定法で測定されますが、これとは違った組み合わせのフィルターが濃度計内部に組み込まれている場合、ステータスM 濃度測定法という言葉が使われます。カラープリプリントフィルム(カラーネガ、インターネガ、インターメディエイト、低コントラストリバーサルオリジナル、リバーサルインターメディエイト)の濃度は、このステータスM 濃度測定法で測定されます。(DAK 濃度計フィルターセットは、濃度計の製造元から直接購入することができます。より詳細な情報は各々の濃度計の製造元にお問い合わせ下さい。)
 |
| 図 4 |
 |
図 4 は、被写体の輝度、ネガ濃度、そして特性曲線の関係を示しています。輝度にはポイント 2 から10 までのそれぞれの間に、1 ストップ(1 絞り)の違いがあります。ポイント 1 は写真にした場合、拡散ハイライトであるポイント 2 よりも約 2 ストップ分明るいように写る、スペキュラーハイライトです。ポイント 9 は黒よりもやや明るく再生されるようなトーンです。ポイント 2 から 9 までの間には、7 ストップの違いがあり、これは一般的な輝度の被写体では典型的な範囲です。ポイント 10 はポイント 9 よりも約 1 ストップ分暗く、黒として再生されます。グラフは、これらの明るさの違いを表わすポイントが、特性曲線上のどこに当たるかを示しています。ポイント 9 はフィルムの感度ポイントで露光されており、それは、べース+カブリ濃度(現像処理後の透明なフィルムベースの濃度)よりも約 0.10 ほど上の濃度になります。ポイント 9 からポイント 2 までの濃度域は約 1.05 です。 |
代表的な特性曲線とは、あるフィルムの典型的な特性曲線のことで、別々に製造されたたくさんのフィルムに対してのテスト結果をまとめ、平均化したものです。データシートに記載されている曲線は、この代表的な曲線です。
相関特性曲線とは、テストフィルムの濃度を、テストフィルムが作られる際に使われた特定のセンシトメトリーステップスケールの濃度に相対してプロットされた曲線です。これらは現像管理のために、ラボでごく普通に使われています。
白黒フィルムは普通一つの特性曲線しか持ちません(図 5 と 6 を参照)。 一方カラーフィルムはそれぞれ赤感(シアン色素)層、緑感(マゼンタ色素)層、そして青感(イエロー色素)層の三つの特性曲線を持っています(図 7 と 8 を参照)。 リバーサルフィルムは現像処理後に陽画を形成しますので、それらの特性曲線は、ネガフィルムとは逆の形になります
(図 5 と6 を比較)。
典型的な特性曲線
| 白黒ネガフィルム |
白黒リバーサルフィルム |
 |
 |
図 5
|
図 6
|
| カラーネガフィルム |
カラーリバーサルフィルム |
 |
 |
| 図 7 |
図 8 |
|