寸法変化の特性
映画用フィルムの寸法は、環境条件の変化によって影響を受けます。フィルムは現像中には膨張し、乾燥時には収縮します。そして年数を経るに従い、ゆっくりとしたスピードで収縮します。このようなフィルムの寸法変化には一時的(復元可能)なものと、恒久的(復元不可能)なものとがあります。一時的なサイズの変化は、フィルムの温度やフィルム中に含まれる水分の量が変化することで起こります。一時的、または恒久的なサイズ変化の程度は、フィルム支持体によって大きく異なりますが、乳剤はべースに比べてはるかに吸湿性が高いことから、湿気によるサイズ変化には特筆すべき影響力を持っています。セルローストリアセテートベースを使ったフィルムの恒久的な収縮は、フィルムに残留している有機溶剤と可塑剤の損失によって引き起こされ、わずかではありますが、製造中、または現像中に徐々に張力の損失によっても引き起こされます。ESTAR べースには残留有機溶剤や可塑剤が無く、セルロース トリアセテートに比べて湿気をあまり吸収しませんので、結果としてサイズの変化はほとんどありません。恒久的収縮は、生フィルムや、現像処理済みのフィルムが古くなるにつれて起こる場合もあります。現在のコダックおよびイーストマン映画用フィルムの寸法変化特性の値は下の表に示されています。
| コダックおよびイーストマン映画用フィルムのおおよその寸法変化特性 |
| フィルム |
ベース |
湿気による
膨張係数
(a) |
温度による
膨張係数
(b) |
現像処理による収縮率
% (c) |
潜在的経年収縮率 %
(d) |
| |
|
長さ |
幅 |
長さ |
幅 |
長さ |
幅 |
長さ |
幅 |
白黒カメラネガ、
デュープ用ネガ、
カラーネガ、
カラーインターネガ、
カラー
インターメディエイト、
エクタクローム
カメラフィルム |
トリアセ
テート |
0.007 |
0.008 |
0.0025 |
0.0035 |
0.03 |
0.05 |
0.2 |
0.25 |
白黒リリースポジ、
デュープ用ポジ、
可変濃度
サウンド
レコーディング、
イーストマン
カラープリント |
トリアセ
テート |
0.005 |
0.006 |
0.0025 |
0.0035 |
0.03 |
0.05 |
0.4 |
0.5 |
イーストマン
カラープリント、
イーストマン
カラーリバーサル
インターメディエイト |
エスター |
0.003 |
0.003 |
0.001 |
0.001 |
0.02 |
0.02 |
0.04 |
0.04 |
(a) 21℃ (70゜F) の時、15% から 50% RH の間で測定(1%RH に対する%)
(b) 20% RH の時、 49℃ (12゜F) から 21℃ (70゜F) の間で測定(1゜F に対する%)
(c) 低い相対湿度で調節後、 21℃ (70゜F) 、 50% RH で測定した皿現像によるもの
(d) 通常条件下で数年、そして温度と湿度を上昇させて短い期間測定 |
|