ラボ業務のアウトライン
フィルム製作とラボの仕事がどのように関わっていくのかを簡単に理解していただくために、三つの観点からそれをまとめてみました。最初のフローチャートは、製作の準備段階から始まっていくつかのラボ作業を経て、編集されたプリントを配送するまでの仕事の流れを示したものです。ここでは満足のいく最終プリントを作るための、ラボと映像製作者との密接なコミュニケーションがそのチャートから読み取れると思います。次の項目はテレビ用の番組製作において、それを予定どおりに運ばせるラボの「舞台裏」を物語風にまとめたものです。そして最後のチャートは、撮影からリリースプリントに到るまでの、毎日のスケジュールを示したものです。

ここで我々の番組をご説明しましょう。我々の番組は毎週の1時間シリーズで、ネットワーク側と24話分の製作を担当する契約を結んでおり、大きな製作プロダクションで製作されています。番組にはいつも、ロケーションでの撮影(昼と夜)が含まれており、1回の番組に通常6日から7日の製作日数を要します。
ラボは次のように製作に関わっています。まず普通の日は、撮影した35mmネガフィルムは、午後7時までに製作プロダクションの撮影部に届けられます。ラボからのトラックが、他のプロダクションのネガと一緒にそれをピックアップしていきます。トラックが夜間に何度か往復することもしばしばです。
トラックで送られてきた最初のネガは、そのラボでフィルム缶の指示票に従って(フラッシング、増感、優先扱いなど)仕分けられ、現像の用意がされます。ロールは現像された後、ネガ組み立て室に送られ、そこで安全のため保管されます。プリント用ネガのロール(大体 1,000フィート)が組まれ、スプライスされます。ロールは超音波クリーナーでクリーニングされ、あらかじめそのラボでカラーアナライザーにより設定されたデータを「微調整」したタイミング(焼度)でプリントされます。このラッシュプリントはラボの顧客係によって、普通午前 6時から 9時の間に現像され、試写が行なわれます。プリントは、大体 120フィート/分(1秒間に32フレーム)の速さで、フルアパーチャーにして映写されます。これはフィルム、カメラ、あるいはラボでのトラブルがないかどうかよく見えるようにするためです。このラッシュプリントは、午前 9時までにプロダクションの編集者のもとに届けられ、1/4インチ磁気テープから 35mmシネテープにトランスファーされたサウンドトラックとの同期が行なわれます。午後 1時には、監督や他の製作担当者にダブルシステム映写機を使って音と同期されたプリントが試写されます。
このシリーズのエピソードに関しては、ラボは約 2週間一時的にこの仕事から離れます(時には 2ヵ月に及ぶこともあります。これはプロダクションの稼働状況によります)。この期間中、スタジオは編集やサウンドミキシング、ダビング、そしてオプチカルエフェクトの準備を整えます。
ラボのこの次の仕事は、これらの要素を組み合わせ、このエピソードのために最終的な完成プリントを作ることです。通常、ネットワークには 35mmプリント(ニューヨークとロサンゼルス用)が 2本と、16mmプリントが 3本から 15本必要ですが、16mmプリントのうちの 2本は 35mmのためのバックアップ用、残りの 1本はカナダのテレビ用(アメリカの放送予定日より 3日から 4日前に放映されます)、そして残りはネットワークシステムの中でそれぞれ地方に分けられます。
この段階では、プロダクションのネガカッターとラボ間の緊密なコミュニケーションが始まります。リールが完成に近づくに従い、ネガカッターは、カットされたネガを指示書と共にラボに送ります。リールは 90%位しか完成していないかも知れませんが、ラボではまだ最終的に確定していない部分や、主にカラーリバーサルインターメディエイト(CRI)またはカラーインターメディエイトフィルムを使用したラボでの製作箇所(ディゾルブ、フェイド、タ
イトル)を入れるために用意されている部分にリーダーを残して、ネガのスプライス作業を開始したり、ノッチを入れたりする作業を行ないます。オプチカルエフェクトの部分はラボ内では製作されず、外部のオプチカルハウスが製作するのが普通です。
ネガがスプライスされ、ノッチが入れられると、プリンターの焼度を決定するため、カラーアナライザーでタイミングが行なわれます。このタイミングデータは、それぞれのシーンの数フレームだけをプリントするプルーフプリンター、いわゆるテストプリンターのために使われます。そしてこのプルーフプリント(テストプリント)の映写が行なわれ(シングル・フレーム・プロジェクション)、色や濃度の補正が更に必要かどうかを調べます。それから完成プリ
ント(アンサープリント:初号プリント)が作られ、プロデューサーがそのアンサープリントを承認した後、二号目の 35mmプリントが作られます。そしてこの 35mmアンサープリントの最終的な焼度により、16mmのリダクション(縮小)されたインターメディエイトが作られます。この 16mmのデュープから、必要な数の 16mmプリントが密着焼きされます。
ラボがカットされたネガを受け取ってから4日目、アンサープリントはラボでネットワークとプロダクションの担当者の参加のもとに映写され、そのプリントが承認されます。
製作工程(日ごと)
| 開始日 |
作業 |
期間 |
| |
プリプロダクション |
1-6 週間。
撮影に使われる場所やセットの数によって異なります。 |
| 0 ~6 日 |
製作 |
撮影…6 日間。 |
| 2 日目 |
ポスト
プロダクション |
2-8 週間。
ラボ作業は撮影中から開始されます。ここでの作業には、ネガの現像、毎日のワークプリント作り、ワークプリントを各々のシークエンスにカットする作業、オプチカルエフェクトの製作、音響効果とストックフーテージを加える作業、タイトルの製作、ダビング(音声、音響効果、音楽)などの作業が含まれます。それぞれのシーンの準備が整い次第、
オプチカルエフェクトの予定が立てられます。尚、これらの作業には複数のラボが関わってくる場合もあります。 |
| 12 日目 |
1. ファーストカット |
大まかな流れで、演技と音声のみが含まれます。一部のオプチカルエフェクト、タイトルの製作は終わっていても全体のオプチカルエフェクト、タイトル、音響効果等は組み込まれていません。 |
| 24 日目 |
2. ファイナルカット |
ワークプリント。最終的な形にするため、より正確に編集されています。一部のオプチカルエフェクトは含まれていますが、タイトルや音響効果はまだ組み込まれていません。 |
| 25 ~31 日目 |
3. ネガ
カッティング |
音楽が作曲され、楽譜ができ上がります。音響効果が作られ、オプチカルエフェクトとタイトルの準備が完了し、編集が終わります。ワークプリントのファイナルカットに合わせてカメラネガのカッティングが行なわれます。オプチカルエフェクトとタイトルが加えられたデュープネガがスプライスされます。実際のスプライスはラボで行なわれます。 |
| 32 日目 |
4. ダビング |
1 ~3 日間。
全てのサウンド素材(ライブミュージック、レコードミュージック、音声、足音や銃声等の音響効果)が磁気サウンドトラックで組み合わされます。磁気トラックは光学トラックに変換されます。 |
| 34 、35 、36 日目 |
5. 最初の
トライアル
プリント |
全体を通していくつかの欠陥が見えました。更に案を練り、見た目を改善したり、いくらかカットをつなぎ変えます。タイトルはまだ完全ではありません。 |
| 37 日目 |
6. 最初の 35mm
初号プリント |
この段階では全ての構成要素が組み込まれています。ニューヨークの放映用プリントになります。 |
| 38 日目 |
二号目の
アンサープリント |
いくつかの色補正を行ないました。ロサンゼルスの放映用プリントになります。 |
| 39 日目 |
7. 16 mm
プリント |
リダクションのインターメディエイトと10 本の16mm プリントの製作。 |
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