紫外線吸収フィルターとヘイズカットフィルター
遠景、山並、雪の風景、水上風景の写真、時には明るい日陰での空中写真などを、昼光用カラーバランスを持つカラーフィルムで撮影する場合、青味がかかることがよくあります。これは、フィルムが人間の目よりも敏感に反応する紫外線の散乱が原因です。このような場合には、紫外線を吸収する コダック ラッテン フィルター No.1A (スカイライトフィルター)をレンズに装着して青味を抑えるか、ヘイズカットフィルターを使用すればある程度までは霞(ヘイズ)を除去することができます。
| コダック カラーフィルムのためのライトバランシング フィルターと変換フィルター |
| コダック ライトバランシング フィルター |
フィルター
の色 |
フィルター
ナンバー |
露光増加量
(絞り)*
|
下記の
色温度から
3200 Kへ |
下記の
色温度から
3400 Kへ |
公称
変動値
(MK-1)* |
| 青色系 |
82C + 82C
82C + 82B
82C + 82A
82C + 82
82C
82B
82A
82 |
1 1/3
1 1/3
1
1
2/3
2/3
1/3
1/3 |
2490 K
2570 K
2650 K
2720 K
2800 K
2900 K
3000 K
3100 K
|
2610 K
2700 K
2780 K
2870 K
2950 K
3060 K
3180 K
3290 K |
-89
-77
-65
-55
-45
-32
-21
-10 |
| 必要なし |
3200 K |
3400 K |
- |
| 黄色系 |
81
81A
81B
81C
81D
81EF |
1/3
1/3
1/3
1/3
2/3
2/3 |
3300 K
3400 K
3500 K
3600 K
3700 K
3850 K |
3510 K
3630 K
3740 K
3850 K
3970 K
4140 K |
9
18
27
35
42
52 |
| 変換フィルター |
フィルター
の色 |
フィルター
ナンバー |
露光増加量
(絞り)* |
色温度
変換(K) |
公称
変動値
(MK-1)* |
| ブルー |
80A
80B
80C
80D |
2
1 2/3
1
1/3 |
3200 から 5500
3400 から 5500
3800 から 5500
4200 から 5500 |
-131
-112
-81
-56 |
| アンバー |
85D
85
85N3
85N6
85N9
85B
85BN3
85BN6 |
1/3
2/3
1 2/3
2 2/3
3 2/3
2/3
1 2/3
2 2/3 |
5500 から 3800
5500 から 3400
5500 から 3400
5500 から 3400
5500 から 3400
5500 から 3200
5500 から 3200
5500 から 3200 |
81
112
112
112
112
131
131
131 |
| *これらは近似値です。厳密さが要求される場合、特に複数のフィルターを使う場合は、実際にテストを行ない調べてみることをお奨めします。 |
 |
この表は、オリジナルの光源 (T1) から変換したい光源 (T2) に定規を置くことによって変換のための変動値を探すのに使われます。中央の柱からは変動値が読み取れます。 上記の 表 に示されているフィルターの公称変動値を利用すると、必要な補正に近いフィルターが選択できます。変動値は代数学的に加算されていますので、必要な変動を得るためにフィルターを重ねて使用することもできます。
|
| 図 52 |
色補正のためのフィルター
色補正(CC)フィルターはスペクトルの赤、青、緑部分の、主に一つか二つを減衰させることによって光をコントロールします。これらのフィルターを1枚、または組み合わせて使うことでほとんどの色補正が可能となりす。CCフィルターはカラーフィルムで撮影する映画の全体的カラーバランスを変えるためとカラーフィルムが時々受ける光線のスペクトル成分の不足を補正するために使われます。この補正方法はカラープリントを作る場合や、特殊な光源を使って撮影する場合などにも適用できますので、必要頻度は高くなります。もし、テストでのカラーバランスが満足できないものであった場合、それを補正するのに必要なフィルタリングの程度は、CCフィルターを通してテストプリントを観察することにより推測できます。
コダック CCフィルターは優れた光学特性を持っていますので、カメラのレンズのような、像形成のオプチカルシステム中に使用することができます。しかし、ゼラチンフィルターであるため、光学的な性能に深刻に影響するスクラッチ(傷)や、指紋に弱いことが難点です。CCフィルターは、シアン、マゼンタ、イエロー、赤、緑、青の各色で、それぞれ濃度値の異なるものが入手できます。
各々のCCフィルターの濃度は、フィルターの名称に数字で表示されており、色は最後の文字で表わされています。例えば、CC20Y は「 イエローで0.20の濃度を持ったCCフィルター」を表わします。
CCフィルターの濃度は、吸収率が最大となる波長で測定されますが(イエローフィルターの濃度は、青色光の吸収の度合いを示す)、これが表で「ピーク濃度」という言葉を使っている理由です。 濃度値には、フィルター色素を塗布してあるゼラチンの濃度や、フィルターがマウントされるガラスの濃度は含まれていません。
フィルターシリーズの標準化された濃度間隔(各色で5,10,20,30,40,50)は、フィルターの組み合わせによる写真効果を予測するのに役立ちます。赤、緑、青の各フィルターは、可視スペクトルの3分の2を吸収し、シアン、マゼンタ、イエローの各フィルターはスペクトルの3分の1を吸収します。赤、緑、青のシリーズでは、各フィルターはそれぞれに相当するイエローとマゼンタ、イエローとシアン、マゼンタとシアンの2枚のフィルターと大体同じ量の同じ色素を含んでいます。
CC フィルターの組み合わせ
フィルターの組み合わせを決めるには、次のように各フィルターを「差し引きたい色」として考えることで単純化することができます。
赤(青と緑を吸収) = イエロー(青を吸収) + マゼンタ(緑を吸収)
緑(青と赤を吸収) = イエロー(青を吸収) + シアン(赤を吸収)
青(緑と赤を吸収) = マゼンタ(緑を吸収) + シアン(赤を吸収)
次に挙げる計算方法をお奨めします。
- もし、赤や緑、青のCCフィルターがない場合は、減色法の補色であるシアン、マゼンタ、イエローを組み合わせて使うことができます。
例 : 20R = 20M + 20Y.
- 同じフィルターを合わせて濃度を変えることができます。
例 : 20M + 10M = 30M.
- もし、結果として出てきたフィルターの組み合わせが、減色法の三色をすべて含んでいれば、それぞれから等量分を取り除き、中性濃度(ND)で釣り合いを取ることができます。
例 : 10C + 20M + 20Y = 10M + 10Y + 0.10ND
- フィルターの組み合わせに、2 種の等しい濃度を持つフィルターが含まれている場合は、赤、緑、青のフィルターで等量分置き換えることができます。
例 : 10M + 10C = 10B.
フィルターの露光倍数およびそのアローアンス
フィルターは光を吸収します。従ってこの光の損失を補うために露光量を増やさなくてはなりません。公開されている コダック CCフィルターのための露光倍数(増加量)は、1枚のフィルターに必要な露光調整量を大まかに示しています。2、3枚の異なった色のフィルターを重ねて使う場合の露光増加量を決定するにためには、まず最初にそれぞれのフィルターに指示されている増加量の総量をスタート時の目安としてテストを行なってください。
| コダック CC フィルター |
ピーク
濃度 |
イエロー
(青を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
マゼンタ
(緑を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
シアン
(赤を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
0.025
0.05
0.10
0.20
0.30
0.40
0.50 |
CC025Y
CC05Y**
CC10Y**
CC20Y**
CC30Y
CC40Y**
CC50Y |
-
-
1/3
1/3
1/3
1/3
2/3 |
CC025M
CC05M**
CC10M**
CC20M**
CC30M
CC40M**
CC50M |
-
1/3
1/3
1/3
2/3
2/3
2/3 |
CC025C
CC05C**
CC10C**
CC20C**
CC30C
CC40C**
CC50C |
-
1/3
1/3
1/3
2/3
2/3
1 |
ピーク
濃度 |
赤
(青と緑
を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
緑
(青と赤
を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
青
(赤と緑
を吸収) |
露光
増加量
(絞り)* |
0.025
0.05
0.10
0.20
0.30
0.40
0.50 |
CC025R
CC05R**
CC10R**
CC20R**
CC30R
CC40R
CC50R |
-
1/3
1/3
1/3
2/3
2/3
1 |
CC05G
CC10G
CC20G
CC30G
CC40G
CC50G |
-
1/3
1/3
1/3
2/3
2/3
1 |
CC05B
CC10B
CC20B
CC30B
CC40B
CC50B |
> -
1/3
1/3
2/3
2/3
1
1 1/3 |
* これらは近似値です。厳密さが要求される場合、特に1枚以上のフィルターを使う場合は実際のテストを行ない調べることをお奨めします。
** 同様なコダックカラープリンティングフィルター(アセテート)も入手できます。 |
カラープリンティング用フィルター
カラーフィルムのプリンティングに使われる映画用プリンターには通常ワット数の高い電球が使われているために、プリンター光学系の反射鏡やフィルターを保護するための熱線吸収ガラスを組込まなければなりません。これにはダイクロイック熱反射ガラスか、または熱線吸収フィルターを使うと良いでしょう。現在、多数のラボで使用されている熱線吸収フィルターNo.2043(4mm)は申し分のないもので、これはコダック社から入手できます。またデータシートの指示のとおり、紫外線吸収フィルターの必要性も考えられます。
下記に表示されている コダック カラープリンティングフィルターは、アセテートフィルムベースでできており、減色法によるプリンティングの際に光源の色補正のために単独か、または組み合わせて使われます。カラープリンティング(CP)フィルターは、可視スペクトルの赤、緑、青部分を主にコントロールするという点においては、CCフィルターに似ていますが、ゼラチンで作られているCCフィルターとは違い、最高の質が求められる場合には、このCPフィルターは像形成光束中に使うことはできません。
この項で述べたフィルターについての、更に技術的に詳しいインフォメーションに関しては、 コダック 出版物 No.B3 「コダック写真用フィルターのハンドブック」 を参照してください。
| コダック カラープリンティング フィルター |
| シアン |
マゼンタ |
赤 |
イエロー |
CP05C
CP10C
CP20C
CP40C |
CP05M
CP10M
CP20M
CP40M |
CP05R
CP10R
CP20R
CP40R |
CP05Y
CP10Y
CP20Y
CP40Y |
|