フィルターによる光源の変換
光源変換のために必要なフィルターを見つけるには、色温度の 逆数 を用いると役に立ちます。色温度を逆数の形で表現するという考え方は大変有用で、この逆数の単位それ自体が、ほとんどの発光体(1000Kから10,000Kの範囲)の同様な色の違いにほぼ相当するからです。この色温度の逆数は、1,000,000をかけて、使いやすい数字にします。この計算で出た値は、過去はmicroreciprocal degree 「ミレッド」と呼ばれていました。
| 1,000,000 x |
1

Tk |
最近では reciprocal megakelvins (MK-1) という言葉がミレッドの言葉の代わりに使われています。このメガケルビンで表現される色温度の逆数は、ミレッドと同じ数値を持っていますが、その値は最初に色温度をメガケルビンで表わし(1MK=1,000,000K)それから逆数の数値を示します。例えば、6000Kの光源に対する色温度の逆数は
1/0.006 MK = 167 MK-1 です。
コダック ライトバランシング フィルターや、コダック ラッテン フォトメトリックフィルター等のフィルターは実効色温度、つまりあらゆる光源において、一定量の色温度の逆数を変化させます。それぞれのフィルターは、
1

T2 |
- |
1

T1 |
で表わされる視覚的な変動値が与えられます。 T1 はフィルターを通過した光の色温度です(両方ともメガケルビンで表わされています)。色温度の概念は視覚の反応に関連しているということを忘れてはいけません。肉眼の反応に対してフィルムの実際の反応を合わせるためにいくつかのフィルターは写真的な要求に対して経験的に考案されています。これらのフィルターによって、測定された写真効果の通りに視覚的変動を得られる場合もありますが、得られない場合もあります。 表 は表示通りの色温度変換をする場合、どのフィルターを使えば思い通りの結果が得られるかを示したものです。与えられた変動値は、
1

T2 |
- |
1

T1 |
の方程式によって表される公称値であり、フィルターのために実際に計算された視覚的変動値ではありません。写真の色温度 という言葉の概念が生まれつつあります。 この方法が有効であれば、 写真効果 ということに関して更に多くのフィルターデータを出すことは、様々な発光体の下で写真撮影をする場合に、それに適したフィルターを選ぶ上で大きな助けとなります。
図 52 に示されている光源変換表は、正しい変換フィルターを容易に選ぶことができるように作られたものです。オリジナル光源 T1は左の欄に表示されており、2000Kから10,000Kまでの実際的な色温度の範囲をカバーしています。右側の欄にはフィルターを通過した光の色温度、つまり変換された光源 T2を表示しています。中央の欄はメガケルビン (MK-1) 変動値です。この変動値と、その変換に必要な特定のフィルターを探すためには、オリジナル光源 T1 の色温度に当たる点と、フィルター使用後の希望する色温度 T2 の間に定規を置いてください。定規がクロスする中央の欄は、必要とされるフィルターのメガケルビン変動値を表わしています。この欄の目盛りのゼロは、フィルターが必要でないことを、また目盛のゼロより上の値 (+) は黄色系のフィルターを必要とすることを、ゼロより下の値 (-) は青色系のフィルターを必要とすることを示しています。
フィルターは重ねて使うこともできます。求められる組み合わせは目盛に従い、フィルターの変動値 (MK-1) を加算することで計算できます。もし1枚以上のフィルターを使う場合は、照明の明るさがロスされることと、複数の面のために起こるフレアについて充分考慮しなければなりません。
| 色温度2000K から6900K に対する色温度の逆数 (MK-1)
* |
| K |
0 |
100 |
200 |
300 |
400 |
500 |
600 |
700 |
800 |
900 |
| 2000 |
500 |
476 |
455 |
435 |
417 |
400 |
385 |
370 |
357 |
345 |
| 3000 |
333 |
323 |
312 |
303 |
294 |
286 |
278 |
270 |
263 |
256 |
| 4000 |
250 |
244 |
238 |
233 |
227 |
222 |
217 |
213 |
208 |
204 |
| 5000 |
200 |
196 |
192 |
189 |
185 |
182 |
179 |
175 |
172 |
169 |
| 6000 |
167 |
164 |
161 |
159 |
156 |
154 |
152 |
149 |
147 |
145 |
* メガケルビン (MK-1) の数値は「ミレッド」の数値と同等。
ライトバランシングフィルター
映画用カラーフィルムは、製造段階でタングステンの光源(3200K、タイプB 、または3400K、タイプA)か、またはデーライトの光源(5500K)に合わせて作られています。 コダック ライトバランシングフィルターは、撮影者がフィルムに到達する光を調整するためにカメラレンズに使うフィルターです。必要なカラーバランスの調整が小さければ、No.82シリーズの青色系のフィルター1枚か、No.81シリーズの黄色系のフィルター1枚で充分です。 コダック ライトバランシングフィルターNo.82は、色温度を100K、82Aで 200K、82Bで 300K、82Cで 400K上昇させることを意図しています。同じくNo.81シリーズ(81、81A、81B、81C、81D)は 100K刻みで色温度を下げることを意図しています。より大きな色補正は、同じシリーズのフィルターを2枚重ねて使うとよいでしょう。
変換フィルター
更に大きな色補正が必要な場合には、ライトバランシングフィルターと変換フィルターを使うことができます。照明の色温度を大きく変化させる(昼光から人工光へ等)ために、変換フィルターをカメラレンズに装着して使用します。
色温度測定の限界
色温度は、光源の視覚的な見かけだけを示しているのであって、必ずしもその写真的結果を表わすものではありません。ある光源が分光の紫外線域を強く照射していたとしても、肉眼は400nm以下の光線に感じないため、この種の光源におけるその特定部分の照射の色温度は測定することができません。通常、フィルムは紫外線に敏感であるため紫外線を取り除くための特別な補正方法を使わない限り、シーンはかなり青っぽく撮られます。
また、色温度は光源のスペクトル分布を考慮の対象にしていません。光源が黒体発光体(様々なタイプのタングステンフィラメントを使った電球)と同様なスペクトル分布を持っているもの以外は、その実効色温度だけに頼るやり方は、カラー撮影のための光源変換に適切なフィルターを選ぶための確実な方法だとは言えません。例えば、蛍光灯はタングステンフィラメント光源に特有な、連続したなだらかなスペクトル分布曲線を持っていません。
同じ色温度を持っているとされる二つの異なった光源から得た写真的結果が大きく違うこともあります。
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