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コダック スチューデント フィルムメーカーズ ハンドブック

配給会社の仕事

映画をうまく世の中に送り出すことはさほど難しいことではないだろうと、あなたは思うかもしれません。映画配給は理論的には非常に単純です。しかし実際はかなり複雑な、科学と呼んでもいいくらいのものかも知れません。

生徒や学生を対象としたものなら、その配給方法はかなり単純です。またスポーツクラブや趣味の愛好家団体向けなら、こちらも使用目的や売り込み先がはっきりしています。しかし潜在的な視聴者を見つけ出すのはなかなか難しいことで、またそのような人にあなたの映画を是非観てくれるように説得することは容易ではありません。

そこで以下では、映画配給会社を利用することによってあなたやスポンサーさえつかみきれない潜在的な視聴者を発見する上で、手助けとなる配給会社のテクニックの利用方法を述べてみます。

プロモーションでのアイデア

うまくプロモーションするかどうかが、映画の配給全体に大きく影響してきます。スポンサー を助けるために、配給会社は 宣伝ビラやパンフレット などのサポート ツールを用意することがあります。 しかしこれらの 販促物はどんな方法で作ったとしても、またどのくらい費用をかけたかに関係なく、その配布には当然お金がかかります。

ダイレクトメールは映画を観る可能性のある人たちに適確に配ることができれば、非常に有効な方法です。配給会社は、これら視聴者の名簿を全国的規模で持っています。

これらの印刷物には、封筒に入れないで送ることのできる郵便物から豪華なカタログまでありますが、パンフレットの製作や印刷にかかるコストもさることながら、郵送リストの情報提供代、郵送作業代、切手代などは別途請求されることもあります。

スポンサー自身による映画一作品の単独プロモーションは、やればやるだけ作品当たりのプロモーション費用が少なくて済む複数作品を組み合わせたプロモーションの場合よりもコストがかかることがあります。また配給会社がスポンサーに特別料金を請求できるのは、あくまでも特別なプロモーションを行なった場合のみです。一般カタログなどに他の多くの映画と一緒に掲載されるような場合は、配給会社からスポンサーへ特別な料金を請求されることはありません。

プリントの在庫

プリントの在庫があるかどうかは、その映画をうまく配給できるかどうかに非常に関係してきます。スポンサーは、ターゲットとする視聴者全員に観てもらうために、充分な数のプリントを用意する必要があります。しかし残念なことに、多くのスポンサーや製作者は、このことを無視して映画を作ります。映画のプリント費用は、最小限の程度で済ませてしまうことが多いのです。

一般的には、一年間で一プリントにつき約 20の異なる上映予約が可能とされています。スポンサーは自分のプリント在庫の数から、一年間にどのくらいの視聴者に映画を観せることができるか計算できます。ここから作るべきプリントの数や宣伝費用を計算して、配給全体の費用を見積もることができます。

繰り返しますが、映画の企画や製作予算の見積もり段階で、予想される配給費用を必ず加算して下さい。そしてプリント在庫のサービスと宣伝・告知の費用を配給費用へ加える場合、いくらかかるのかを、一社だけでなく数社の配給会社に確認して下さい。充分な配給費用を確保しておかなかったために、せっかくの映画が人目に触れずに終わってしまうのは非常に残念なことです。

サポート資料

プリントの在庫や配給費用以外に、教師やそのプログラムの司会者用のための資料や、映画を観た生徒やグループ会員のための配布資料を使うことも考えておいて下さい。残念ながら、実情では多くの映画がこれらの資料なしで観られています。企業の経営者や教師にこれらのパンフレットと映画をセットで提供するだけでも、映画の魅力と深みが増すことは確実です。観客の側に立ってみても、これは同様です。

それらの資料の一般的な内容は、映画の要約、映画の歴史的・時代的な背景についての解説、コマーシャルの場合は登場する商品の価格を含めた正確な情報などです。

また他の使用法では、製品の特長やその使用法に関するヒント、映画を観た後の消費者懇談会などの進め方、教師向けのデモ用キット、釣り人向け潮流表、ハンティング条例、スポーツ愛好者向けの練習方法など、多くのものがあります。

フィルムのメンテナンス

最後になりましたが、ほとんどの映画配給会社はプリントフィルムのメンテナンス作業を行ないます。このメンテナンス契約に基づき、あなたの作った映画はフィルムの継ぎ目の損傷やスプロケット穴の裂け目、フィルムの傷など、またはフィルム全体にわたって欠損がないか、これらを完全に点検してくれます。これらのメンテナンスを行なうことによって、プリントに発生する損傷やフィルム切れなどを予防することができます。

配給会社は次のような理由で、放映用のプリントにフィルム保護用のタイトルヘッドと巻上げ用テールリーダーを付け、ここに配給業者の住所などを記載します。

  • 付記したタイトルとプリント番号によって、フィルムを容易に識別できます。
  • リーダーのカラーコーディングによって、プリントの頭や終りの部分の欠損や巻き戻しが必要かどうかが、ひと目でわかります。
  • フィルムケースからフィルムが飛び出した場合、リーダーがフィルムに直接傷が付くことを防いでくれます。
  • 映写機は最初にリーダーが通過するので、映写機が不適切な状態だった場合は本体フィルムのねじ切れを未然に防いでくれます。
  • リーダーはフィルムを映写機に通す前に、その映写機の内部にあるほこりなどを払ってくれます。


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