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フォトグラファー 半沢健氏
現場の緊張感とテンションで、 新しいアイデアを生み出す VISION3は黒の部分に粒子が乗らないのでいい |
撮影現場での雰囲気やテンションを感じて、次々と新しいアイデアを生み出す、フォトグラファー半沢健さん。スチル写真、ムービーと多才に活躍される半沢さんとチーフのシズメさんに現場でのお仕事ぶりをお伺いしました。
粒状性がよくなったVISION3 5219
――半沢さんが一番好まれているフィルムは?
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撮影の間にカメラの動きについて井川遥さんと談笑する半沢さん |
半沢 「僕は前からVISION2が好きで、これまで一番よく使っていたのが200T 5217です。VISION2もいいけど、VISION3も結構好きですね。あまり彩度が強いのは好きではないので、ほどほどな感じがいい。テレシネで見た時、VISION3はVISION2よりは色のノリがいい。ぱっと見にはそんなに変わらないですが、細かく見ていくと肌も凄い綺麗だったんです。それから暗部が凄い。ハイも飛ばないし、グラデーションも綺麗だしね。
感度500の場合、16mmになると、ちょっと粒子感に抵抗があったんですけど。VISION3ではそれも良くなっています。黒の部分は粒子が出やすいから、いつも心配してるんですけど、何の問題もないですね。今までは粒子があるから黒の部分をわざとつぶしちゃおうとしてたけど、それをする必要がないし、いじりやすい」
鎮目「VISION2でも粒子が良くなったとはいえ、粒子が出るシチュエーションでは出ちゃう場合があるんですよね。その辺が良くなってるんじゃないかと。それから、ラチチュード、ハイの部分が広がっていると感じます」
グリーンバックでの撮影
――W61KのCMはグリーンバック撮影、CGとの合成でしたね。
半沢 「今回のW61Kの場合は、最初からCGとの合成が決まっていたので、キャメラの動きもそれに合わせました。照明もフラットな感じで全体に当てています。グリーンバックの撮影では“キレイに抜く”ために、足下までグリーンが出るようにしないといけません。特に今回のように全身のショットの場合は、ライトの方向が凄く難しいですね」
鎮目 「それから、井川遥さんの美しさを画面上でも再現したいので、肌の表現には気をつけました」
半沢 「レンズはクックのS4です。初めはツアイスのプライムを使っていました。ツアイスのレンズは、軟らかいけどしっかりしてる。それに比べ、日本のレンズは少しシャープなんです。逆に綺麗すぎる。クックはツァイスより軟らかくて、けど、しっかりしてて、あとデザインも好きですね。そんなに人が見て違わないんですけどね。テレシネなんかだと分かりますけど」
鎮目 「ある程度、絞ってしまえば、分からないですが。どちらかというと、開放側で撮ると違いが出やすいですね」
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『京セラ、W61K、「キラキライルミネーション篇」』の映像とグリーンバックでの撮影 |
現場で新しいアイデアを生み出す
――今回はどんな経緯で撮影されることになったんですか?
半沢 「今回はディレクターの黒川静香さんからの指名です。僕は黒川さんとは長いんですよ。黒川さんの所属しているキャビアという映像の集団と昔から頻繁に仕事をしていたんで、黒川さんは僕の性格をよく解ってくれているんです」
鎮目 「半沢さんは、現場では絵コンテを見ないんですよ。決めて入らないというか。現場で自分の意見とアングルをつきあわせて良い方向に進めるタイプです。特に、対象が女性になると強い撮り方でイメージを表現されるんで」
半沢 「現場では雰囲気やテンションとかが違うんで、そこでまた新しいアイデアとかが出るかなって感じがしますよ。ディレクターもそういうことを期待してるんじゃないかって思うんです。ですから、同じスタッフで仕事することが多いですね。でも新しいスタッフが加わってもスタイルは変わりません。我々が入って、全部ライトとか変えたりすることもありますね」
鎮目 「よく一緒にやっている照明の小林稔尚さんは、半沢さんが現場に入るまではベースだけ作っておいて、入ってからいじるようにされています」
半沢 「最近では、自分で照明もやるんですよ。スチルでやった経験が生きてくるし、自分の世界観も表現しやすくなります」
個性を大切にする
――カラリストの方とのコミュニケーションも様々ですか?
半沢 「ムービーの撮影では、デジカメで撮った画像をMacの30インチのモニターに出して、その場で色を決めてディレクターとかクライアントに説明をすることがあります。グリーンバックの撮影でも、フォトショップのプラグインがあるんで、CGと現場で合わせてシミュレーション。非常に便利ですね。
テレシネの時には、デジカメの画像を持ち込んでこういう感じのトーンにしてくれという場合もあるし、カラリストによっては見せない場合もある。見せることによって先入観が出来てしまうのを避けようということです。カラリストに僕のイメージを伝えて、それをどう解釈するかによって色を決めるやり方と、僕の方で方向性が決まっているようならデジカメの画像で具体的な色のトーンを見せるやり方。
カラリストによっては僕の言っていることをそのままやる人もいたり、逆に思っていた色とは違うものを出してくる人もいるし、色を決める前に1時間くらい話して、こういう感じで、とか言いながら色を決めていく場合もありますね。僕が一緒に仕事をするカラリストは3人くらい。それぞれ個性があって、自分のイメージを表現するのに欠かせない存在です」
| ● Profile. はんざわ・たけし |
| ■1974年生まれ。 ■1997年NYへ渡り、アルバート.ワトソンに師事。1999年帰国後、フリーランスとして活躍。 ■主な仕事/ソニーマーケティング『ウォークマン 「Graphic Wave」篇』、ニコン『COOLPIX S600 「ニコンイエローバタフライ」篇』、伊藤園『お~いお茶「鏡獅子」篇 / 「さらなる高みへ」篇 / 「恵みの雨」篇 / 「桜、舞う」篇 / 「滝・ミスト」篇』、日本コカ・コーラ『紅茶花伝ロイヤルミルクティー「どっちのミルクティー?」篇』ほか多数。 ■2008年9月に世界中の風景を撮った写真集「RHYTHM」を出版。また、2008年8月26日~31日に青山のスパイラルにて展覧会を開催。 ■http://www.takeshihanzawa.com |
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京セラ、W61K、「キラキライルミネーション篇」
主要制作スタッフ
■広告主:京セラ
■代理店:大日本印刷/サンヨー/kazepro
■制作会社:kazepro、スプーン
■CD、AD、企画、コピー:冨田高史
■プロデューサー:大桑仁
■ディレクター:黒川静香
■撮影:半沢健
■照明:小林稔尚
■CG:酒向桂輔
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