デジタルインターメディエイト
シネサイト社におけるデジタルマスタリング技術
「デジタルインターメディエイト」とは、劇場公開用のフィルム、デジタルシネマ、デジタルビデオを含むあらゆる配信フォーマットに変換可能で十分なダイナミックレンジと色再現域、解像度を持つデジタルマスターです。1080 24Pのマスタリングがフィルムの後処理に依然不十分なビデオシステムであるのに対して、デジタルインターメディエイトはコダックのカラーサイエンスが統合された高解像度のデジタルシステムで、次のような特長を持っています。
・フィルムに始まりフィルムに終わる入出力が校正されたプロセス
・フィルムのダイナミックレンジを保持するシネオンフォーマットの採用
・スーパー35、シネマスコープを含む全ての35mmフォーマットに対応
・最終的なフィルム上映を予測できる校正されたモニタリング環境
・将来2K以上の解像度へ拡張が可能
ハリウッドのシネサイト社では「Pleasantville」(1998年:邦題「カラー・オブ・ハート」)の経験を元にデジタルマスタリング事業を開始しました。デジタルインターメディエイトの第一の目的は今までの写真化学や経験的要素で支えられていたフィルムの後処理をインタラクティブで一貫性をもった後処理に移行させることにあります。撮影監督は作品の全長のルックをより正確に管理することができ、例えばブリーチバイパスやセピアトーン、脱色などの特殊処理もデジタルの後処理では一貫したルックで再現する事ができます。オフラインのEDLを元に作品全長をハードディスク上にデジタルマスターとして完成した後は、あらゆるビデオフォーマットに変換可能です。ビデオマスタリングのためのテレシネはもはや必要無く、オリジナルフィルムのハンドリングはワンライトでスキャニングされる最初の一回だけになります。このようにフィルムの後処理の一貫性と効率が大幅に改善されるわけです。
シネサイト社におけるもう少し具体的なプロセスをご紹介しましょう。フィルムのスキャニングはコダック/フィリップスで共同開発したスピリット・データシネで行われ、6フレーム/秒のスピードで2Kのデジタルデータに変換されハードディスクに収録されます。カラーコレクターにはパンドラ社のメガデフが採用され、テレシネスィートで使用されているプライマリー、セカンダリーの色補正や画像処理のツールをすべてフィルム制作のために使用することができます。デジタルインターメディエイトはそれを可能にするハードウエアやソフトウエアに基づいたプロセスです。例えば粒子やシャープネス、ルックのカスタマイズはソフトウエアツールで一貫したパラメータで処理できるでしょう。シネサイト社では、カスタムに開発した画像処理、原版組み上げ、キューコントロールのソフトウエアを使用できる上、視覚効果部門のコンピュータ資産を共有することができるので、別に制作した視覚効果のカットも簡単にデジタルマスターに組み込むことができます。
フィルムに出力する前に、フィルムのルックに校正されたデジタルプロジェクターでデジタル初号(アンサープリント)を行ない、各リールをチェックします。
監督や撮影監督のOKがでれば、コダック社開発のライトニング レーザーフィルムレコーダでインターポジかネガの形式で超微粒子のインターメディエイトフィルムに出力されます。もちろん最終的なプリントはラボにおいてワンライトで焼くことができます。また出力の際にデジタルによるスクィーズ処理が可能で、オプチカルプリンターでアナモフィックを使用した結果よりもシャープな映像を得られることが分かっています。
コダック社では、以上のように劇映画作品の後処理を大きく改善するデジタルインターメディエイトのプロセスを普及させる一方で、ハリウッドに開設したデジタルシネマシステムの開発拠点イメージ テクノロジ センター(ITC)では、将来のデジタルシネマの有力なマスタリングの方法論としてプロセスの研究開発を進めています。
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