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In Camera — October 2005
 Feature Films
Fighter Pilot: Operation Red Flag
ネリス空軍基地の訓練場上空でKC-10空中給油機から燃料補給を受けるF-15。 PHOTOS: STEPHEN LOW PRODUCTIONS

「飛行する人のうちどれくらいが酔う?」、IMAX®映画『Fighter Pilot: Operation Red Flag』の撮影監督ウィリアム・リーヴは、乗り物酔い用のビニール袋を2つ渡されたときにパイロットに尋ねた。返ってきた答えは「8人に1人だね。8人全員が酔って、そのうちの1人が何とか切り抜ける」

ボーイング社とアメリカ空軍が一部資金を出しているこの映画のために、本物の空中戦闘を再現しようと連合軍が集結している。再現されたのは、レッドフラッグ演習(米空軍がネバダ州の基地で行う実戦に近い航空演習)でパイロットに与えられる最初の10の任務である。第二次世界大戦の英雄だった祖父と同じ道を歩もうとしている若いパイロットが、F-15ストライクイーグルでさまざまな航空機と交戦しながら自分の限界に挑戦する。

リーヴは20年以上もIMAXの仕事をしており、『海底火山の謎』(Volcanoes of the Deep Sea、2003年、スティーブン・ロウ監督)、『Great North』(2001年、マーティン・J・ディグナード監督)、『エクストリーム』(Extreme、1999年、ジョン・ロング監督)、『タイタニック/深海に沈む真実』(Titanica、1992年、スティーブン・ロウ監督)などにクレジットされている。

「IMAX特有の難しい問題がある。とくに機材の大きさと重さだね。ジェット戦闘機の操縦室の中にはあまりスペースがない。大きい機材を使うのが不可能なときは、35mmのフルゲートで撮影してIMAXスクリーン用に10倍に引き伸ばす必要があった。フィルムの記録技術やデジタルによる修正技術が進歩したおかげで、デジタル処理でネガの粒子を除いてキャメラのブレや揺れを安定させて、15/70mmまで引き伸ばすことができるようになった。デーライトフィルムの5245が何年間もこれだけの性能を維持していることには驚くよ。いまだにIMAX映画の昼の屋外に採用されることが多い」

リーヴは戦闘機の中に空間がないことを身をもって経験している。F15の操縦席の上部に35mm映画用キャメラを取り付けるための装置を設計してテストする必要があった。「35mmアトーンを天蓋のブリッジに取り付けてテスト飛行をしなくちゃならなかったんだ。天蓋のブリッジは緊急脱出の時には“飛んで行く”部品だ。キャメラオペレータ兼副操縦士はベルトを締めて天蓋を閉じた後、キャメラをマジックテープで取り付けるしかない」

武器を装備した射出座席のある航空機は1500万ドルし、その副操縦士用の座席に民間のキャメラオペレータを乗せるということで、テスト飛行の間中、空軍はひどく神経質になっていた。リーヴは強烈なGと脱出を体験するために、装備に身を固めて2時間のフライトを行った。朝食を全部もどしているうちに終わるだろうとパイロットは請け合った。

「本当に窮屈なんだ。ただフィルムを替えるだけのことがすごく難しい。操縦用装置が周囲を埋め尽くしていて――間違いは絶対に許されない――そのうえジェット機は3Gから7Gの重力加速度で向きを変える」

テスト飛行が終わると、リーヴは副操縦士にキャメラの使い方を教え込み、スティーヴン・ロウ監督は操縦士たちに撮るべきショットを伝えた。リーヴによると「彼らは宇宙飛行士みたいだよ。一度教えられれば十分なんだ。必要なものだけでなくそれ以上のものが手に入ったよ。彼らの技術は信じられないレベルだ。

Fighter Pilot: Operation Red Flag

ぴったり梯形編隊を組んで左へ散開するF15ストライクイーグル(このカットのために、F-15が編隊飛行速度内でゆっくりと上方を飛んでいる時、プロペラ機のB-25は最高速の200ノット(370km/h)で飛行する必要があった)。PHOTOS: STEPHEN LOW PRODUCTIONS
 

もう1つの目玉はAWACS(早期警戒管制機)だが、こちらは飛行時間の調整が非常に難しいので、クルーは機内のショットのために正確な模型をつくらなくちゃならなかった。キャメラのことを考えて、設計には初めから終わりまで関わったよ。15/65mmフォーマット用の照明を設置する場所をつくるにあたって、リアリティを保つために機内セットの設計の美術面では何でも自由にやらせてもらえた。結局、第二次大戦で活躍したB-25ミッチェル爆撃機の後部砲手の位置にスペースカム ジャイロ固定マウントと35mmビスタヴィジョンキャメラを取り付けた。

完全武装の戦闘機の空中訓練任務を思いのままに行うことができたんだ。ミッチェル爆撃機の3メートル以内でF-15がぴったり接近した梯形編隊でサメのように泳ぐ訓練もあった」とリーヴは語っている。ベテランの空撮キャメラマンのクレイ・レーシーが、高速追跡撮影のためにリアジェットの鼻先にIMAXキャメラを取り付けた。クレイはジェットの腹の下からパンチルできるフルゲート35mmの展望鏡キャメラも使った。主翼下に兵装を満載したA-10対戦車攻撃機が実弾を放って、1マイル離れたキャメラにその恐ろしい破壊力を示した。映画用の機材はコンクリートの大きな容器に収められ、風速250キロ以上の風圧を生じる爆弾の衝撃波を間近にとらえた。1台のキャメラのマットボックスには、厚さ1インチのレキセイン(耐砕性ポリカーボネート樹脂)の窓を突き通して入ってきた金色の破片が付着していた。

クルーがこれほどたくさんの機材と人力を利用できるチャンスに恵まれたのは、いかに幸運なことかリーヴにはわかっていた。「米空軍は、レッドフラッグ演習の状況を映画で再現するのに必要なあらゆる資源を提供してくれた。プロジェクトを立ち上げるのに5年、撮影プランを練るのに6カ月、そしてそれを実行するのに2年かかった。

ネバダの熱い砂漠での昼光の屋外撮影はほとんど5245に、屋内と夜間の撮影はすべて5218に収めた」

緊急事態のときのデーライトフィルムとして過去に5279を使ったことがあったリーヴは、5218の結果の違いに驚いた。「スピーディーなドキュメンタリーIMAXの撮影では、H65攻撃用ヘリコプターの中のように、片側では照明が情けないほど乏しくて、反対側では熱い砂漠をねらって絞りを閉じているような、やっかいな状況に立たされることが多い。以前はそういうときは5279で撮っていて、5245 50Dや5246 50Dともうまくつながった。5279と似たような結果を予想して5218をテストしたんだが、ラージフォーマットの場合はあっという間にオーバー露光で飛んでしまう。たいていのネガとは対照的に、そういう場合の5218の露出にはとくに注意する必要がある。屋内と夜間の撮影に使ったときの5218の性能には本当に驚いたが、あのフィルムは低照度の状況で人間の目に見えるものを正確に再現するすばらしい特性を持っている」

『Operation Red Flag』はカナダで限定公開され、現在はスミソニアン研究所国立航空宇宙博物館などの科学館で上映されている。


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