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In Camera — October 2005
 Feature Films
Bandidas
オードラ・ブレイザー(クラリッサ)。『Bandidas』の1シーンより。 PHOTO: COPYRIGHT 2005 DANIEL DASA/ EUROPACORP/ TF1 FILMS PRODUCTION

『フィフス・エレメント』(The Fifth Element、1997年、リュック・ベッソン監督)や『クリムゾン・リバー』(Crimson Rivers、2000年、マチュー・カソヴィッツ監督)のティエリー・アルボガスト撮影監督(AFC)はこう語っている。「『Bandidas』の撮影は究極の夢だったね。私はアメリカ映画とイタリア映画を観て育ち、ずっと西部劇が大好きだったんだ。『ウエスタン』(Once Upon a Time in the West、1968年、セルジオ・レオーネ監督)が公開されたとき13歳か14歳だったが、少なくとも連続で4回は見たよ。あの映画はそらで憶えているから『Bandidas』を撮る上で参考になった。ジョージ・ロイ・ヒル監督の『明日に向かって撃て!』(Butch Cassidy and the Sundance Kid、1969年)と同じくらいにね。

西部劇を撮影するときは、広大な眺望を観客に見せて雄大な風景をとらえなくてはならないが、ぴったりの雰囲気や空気感を見つける必要もある。たとえばオーバー露光の屋外からキアロスクーロ(イタリア語で「明暗」を意味する言葉)の室内に移っていくようにね。『ペイルライダー』(Pale Rider、1985年、クリント・イーストウッド監督)は、とても印象的に撮影された西部劇だと思う。クリント・イーストウッドは斬新な照明の使い方をする人だが、それにしても彼の目が誰にも見えないような撮影方法を承諾したとは驚きだよ。それにブルース・サーティーズは、屋内が暗い洞窟のようになってそこに視覚的な暗示をこめられるように、屋外の露光を決めている。だが、『Bandidas』はドラマティックな映画ではないので、極端すぎる撮影技術を使うわけにはいかなかった。でも時には効果を使ったよ。何より女優たちを明るく輝かせたんだ」

1965年の『ビバ!マリア』(Viva Maria ! 、1965年、ルイ・マル監督)の精神が生きているコメディ西部劇『Bandidas』では、主役の農夫の娘をペネロペ・クルス、銀行家の娘をメキシコ人女優のサルマ・ハエックが演じる。メキシコのドゥランゴとレアル・ド・カトルスで15週かけて撮影されたこの作品は、19世紀末、鉄道が建設される土地を奪って金儲けをしようとたくらむ後ろ暗い事業家を中心に展開する。

Bandidas
デニス・アーント(アッシュ)。『Bandidas』の1シーンより。 PHOTO: COPYRIGHT 2005 DANIEL DASA/ EUROPACORP/ TF1 FILMS PRODUCTION

「主役の女優2人が帽子をかぶるという点については、最初から意見が一致していた」とアルボガストは言う。「そのおかげで、真上から照りつけるメキシコの厳しい日光をさえぎり、もっと柔らかい効果を出せるように下から照明を当てなおすことができた。2人の女優の片方をひいきして、もう片方が不利になることのないよう、ものすごく神経を使ったよ」と彼は笑い、2人の女優は互いに気心が知れていて仲よくやっていたことを付け加えた。「照明という観点から比べろと言われたら、ペネロペ・クルスのほうが確かにバックライトや逆光では関心を引くが、指向性のライトではどちらかというとサルマ・ハエックのほうがいいかな」

メキシコシティにはアナモフィック スコープの機材がなかったので、アルボガストはテクノビジョン フランスのキャメラにクックのアナモフィックレンズとツァイスのレンズを付けた。「クックとツァイスの混在は問題じゃなかった。コントラストや色のわずかな違いはデジタル調整ですぐに吸収されたからね。リュック・ベッソン監督の『ニキータ』(Nikita、1990年)でも同じアナモフィックレンズを使ったけど、とてもシャープで、まるでプリズムか鏡を通して撮影しているかのようなイメージをつくり出す。双眼鏡で見ているような、ちょっと変わったリアリティが生まれるんだ」と語るアルボガストは、『Bandidas』を含めてベッソンとは15年も一緒に仕事をしている。

Bandidas

ティエリー・アルボガスト撮影監督(AFC) (カメラ後方) とアシスタント。 PHOTO: COPYRIGHT 2005 DANIEL DASA/ EUROPACORP/ TF1 FILMS PRODUCTION
 

アルボガストはイーストマン EXR 50D 5245とコダック VISION 250D 5246を採用した。「陽光がさんさんと降り注ぐ中ではASA 50より感度の高いフィルムは必要ない。粒子が非常に細かいのでハイライトもローライトもとらえることができる。今までもずっと、日の光が射し込む自然な屋内セットには5246がぴったりだと実感してきた。『Bandidas』は昼光の映画だし、18kWのライトで“本物の”日光の効果を出すためには絞りを開いてオーバー露光にして、嘘っぽく見えないようにする必要があるんだ」

デンマーク人共同監督のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドバーグは広告業界の出身である。「彼らの協力関係はおもしろかったよ。1人が技術的にとても細かくて斬新な要求をするのに対して、もう1人は俳優や演技を細かく監督していた」とアルボガストは言う。「2人は現場ですぐにしっかりした信頼関係を築いたし、映画撮影の文化、とくに西部劇についての知識がとても豊富だった」


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