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女優のアレックス・ジョンソン(左)とスティーヴン・レイゼス撮影監督。 『Instant Star』 のセットにて。 撮影 : DEREK GRAHAM © EPITOME PICTURES INC |
スティーヴン・ライゼスは先ごろ、カナダのテレビシリーズ 『Instant Star』 とテレビ映画 『Tripping the Wire』 の撮影にスーパー16mmを試した。 『Little Criminals』 や 『Cold Squad』 のクレジットに名を連ねるライゼスは、スーパー16mm を使うことで柔軟かつ効率的に製作ができたと説明している。「セットにある情報をたくさん記録できるので、ポストプロダクションで操作できる要素も多くなる」
ライゼスは 『Instant Star』の最初の4話を撮影した。 アイドルコンテスト で優勝し、華やかな音楽業界へと送り出されるティーンエージャーの試練を追うストーリーだ。
「 『Instant Star』 のために、リバーサルフィルムのクロス現像(ネガ現像処理)や銀のこしのような変わったルックをいくつか試したが、そういうルックはデジタル・インターメディエイト作業で創り出せることに気づいた。オリジナルをフィルムで撮影し、それをデジタル・ポストプロダクション技術と組み合わせることで、人々が今日求めている映像を実現できると思う」
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スティーヴン・レイゼス撮影の 『Instant Star』 の1シーンのアレックス・ジョンソン。 撮影 : STEPHEN SCOTT © EPITOME PICTURES INC. |
パンドラの箱
レイゼスは 『Instant Star』 にコダック VISION2 500T 7218 を使った。「HD キャメラで撮影するのは、パンドラの箱を開けるようなものだね。ポストプロダクション処理をすべて別のやり方ですることになる。でもフィルムのほうがはるかにラチチュードが広くて、たくさんの情報を記録する。さらに、ポストでもう一度処理を加えるので、効率的かつ柔軟に作業ができる。ドラマについては、同じルックをビデオのオリジナルからでは出せないと思うね」
レイゼスはスティーヴン・サージック監督の 『Tripping the Wire』にもスーパー16mmを使った。古典的な探偵小説に敬意をささげる現代の警察ドラマである。レイゼスはさまざまなフィルムで通常の現像と銀のこしを試してから、コダック VISION2 500T Expression 7229 を銀のこしにすることにした。「 『Instant Star』 は華やかでカラフルでつやがある映像だが、 『Tripping the Wire』 は白黒に近くてざらざらした硬いルックだった。 『Tripping the Wire』 のクルーの中には、HD撮影を終えたばかりのスタッフが何人かいて、たくさんの光源や明るい窓があるようなドキュメンタリー風の照明を、テープ上にとらえるのは不可能だろうと口々に言っていた」
スタイルの違い
この2つの作品には他にもスタイルの違いがいくつかある。『Instant Star』 はつねにドリーで移動してズームしているキャメラから、プロミスト フィルターを通して撮影された。「場所を見せろ、顔を見せろ」というのがパット・ウィリアムズ監督の決まり文句だった。 『Tripping the Wire』 は色補正をせず、主に 20mm のプライムレンズでハンドヘルド撮影された。
撮影監督によると、感度 500 のフィルムで撮影したおかげで日光などの明るい光の効果を創り出すのがとても楽だったという。「暗い領域に対して明るく見せるのに、それほどたくさんの光を当てる必要がない。自然なレベルのライティングだから、時間もお金もかからないし、セットも涼しくて快適だ」
『Instant Star』 に対するエピトム・プロダクションのプロデューサーの評価は、非常に好意的だった。どちらの作品もHDに変換された。「最近の 16mm の映像は 10年前 の 35mm の映像に匹敵する。これはフィルムの性能とF-T変換技術の向上によるところが大きい」とレイゼスは言う。
「映像自体に注意を引きつけることなく、脚本にうまく同期している映像スタイルを見つけることが重要だ。私が目指しているのは、うそっぽくなくて自然に見えて、照明が当てられていることを感じさせずにストーリーを語るスタイルを作ることで、フィルムならそれを実現しやすい」 |