flag   日本 [change]
In Camera January 2005
 TV Productions / Documentaries
Joey
ニック・マクリーン撮影の 『ジョーイ』 の1シーンのマット・ルブランク。 写真 © WARNER BROTHERS

『ジョーイ』 (Joey)のパイロット版は、飛んでいる飛行機の中のシーンで始まる。そして場面が切り替わり、タクシーの運転手に乗客が俳優としてのキャリアを積むためにハリウッドに引っ越してきたのだと経緯を話している。すると運転手は、なぜ目的地がハリウッドなのにダラスにいるのかと尋ねる。えーっ! ダラスでの乗り継ぎを忘れたの?こうしてテレビの視聴者は、連続ドラマ 『フレンズ』 (Friends)で彼らの心をつかんだジョーイ・トリビアーニに再会する。

「ジョーイは人生の新しい章を歩みはじめている」と語るニック・マクリーンは、 『フレンズ』 の撮影で3回連続エミー賞にノミネートされた。「彼はハリウッドの映画業界に居場所を求めてニューヨークを離れる。脚本家とプロデューサーは視聴者に、ジョーイがある種まぬけなキャラクターであることを思い出してほしいと考えたんだ」

マット・ブランク主演の 30分のコメディは、毎週 NBCテレビネットワークで放送されている。ジョーイのエージェント役のジェニファー・クーリッジ、妹役のドレア・ド・マッテオなど、他のキャラクターは新しい顔ぶれだ。製作総指揮の1人ケヴィン・ブライトは、 『フレンズ』 でマクリーンと一緒に仕事をした。

Joey
ニック・マクリーン撮影監督
撮影 © DOUGLAS KIRKLAND

「ケヴィンは映画志向のプロデューサーで、映画的な映像を作らせてくれるんだ。そのほうが登場人物とストーリーに対する視聴者の反応がよくなると考えているからね」とマクリーンは言う。 『フレンズ』 ではドラマチックなシーンを、わずか4、5フートキャンドルのフロントライトと15フートキャンドルのバックライトだけで撮影したこともあった。顔に柔らかい補助光を少しだけ当てるため、小さな手持ちのライトを使ったこともあったね」

『ジョーイ』 の撮影はワーナー・ブラザースのサウンドステージで、ライブの観客の前で行われる。マクリーンはたいていドリーに載せた 4台 の 35mm パナフレックス ゴールドを使っている。調光器付きでAC電源の調整卓につながっているライトに照明プランをあらかじめセットしておく。中央の 2台 のキャメラがプリモ 20-120mm ズームレンズで広角の基本カットを抑える。残りのキャメラにはもっと長い 25-250mm ズームレンズを付けて、話をしたり会話に反応している人物の、中距離やクローズアップのカットを撮影する。

「感度 500の優秀なフィルム(コダック VISION 500T 5279)を使っている。私たちが見たままをとらえてくれるフィルムだ。フィルムには他のメディアにはない神秘性があるね。視聴者に時間と場所を感じてもらうルックをどう作るか、各シーンの雰囲気をどう伝えるかについて、フィルムが持つコントラストの幅と奥行き感が大きな役割を果たす」

マクリーンは固定したキャメラでなくドリーに載せたキャメラで追うほうが好みだという。動き、焦点、構図が映像の重要な基本要素だと考えているからだ。照明用の調整卓のおかげで、照明をキャメラの動きや遠近感と合わせて演出できる。

「リハーサルを見て、シーンの振り付けをして、キャメラのアングルと位置に合わせた照明をあらかじめセットする。複数のキャメラで撮影するときは、あるキャメラにとってのフロントライトが別のキャメラにとってはバックライトになる。撮影しながら調光盤のオペレーターにそのライトを10パーセント上げろとか下げろとか指示して、すばやく調整していく」

撮影監督は手持ちのライトを 1つか2つ 使って、人物の顔に当たっている光を柔らかくするため、顔に補助光を少しあてる。場面によってはそのうちの 1つを自分で操作することもある。窓、テレビ画面、あるいは暖炉からの光が人や物に反射しているところを表現するのにも、そういうライトを使う。手持ちのライトのおかげで、補助光の強さをコントロールすることができる。

「2、3個の手持ちのライト以外はすべてのライトが頭上にセットされているんだが、できるかぎりシャープに見えるようにしようとしているんだ」

パイロット版のオープニングとなったタクシーのシーンは、ステージのグリーンスクリーンの前で撮影された。タクシーがダラスの町中を走っている様子を表す背景は、バーバンクのモダン・ビデオフィルムでデジタル合成された。同じポストプロダクションでタイミングも行われている。

ジョーイたちがいつものセットではない場所に行く場面では、グリーンスクリーン撮影が行われる。マクリーンの話によると、プロデューサーと脚本家は観客の反応がほしいからステージで撮影したがるのだという。


| | 著作権