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    コダック VISION3 500T 5219 / 7219
VISION3に導入された技術
----- 開発者メリック・ディスタントが語るフィルム開発の舞台裏


  Merrick Distant
メリック・ディスタント

メリック・ディスタントはコダック社のプロダクト システム エンジニアで、「コダックVISION3 500Tカラー ネガティブ フィルム」のプロジェクト マネージャーです。次世代の映画用フィルムの開発にあたり、どのように乳剤技術の限界を超えたかを語りました。
 

質問: 映画用フィルムの開発では、どのように重点目標を定めるのですか?

ディスタント: 私たちは、現在の映像製作のワークフローにおいてどのように私どものフィルム製品が使われているか理解するため懸命に努力しています。フィルムをどのように改良すればよいかを決めるときには、まず、キャメラマンやポストプロダクションに関わるエキスパートにお客様のご意見を伺います。コダックでは、こうした活動を 『ボイス・オブ・カスタマー(お客様の声)』 と呼び、お客様からのフィードバックが、研究開発の指針になっています。今回の開発でもお客様のご意見を伺ったところ、多くの方々が、感度500のフィルム(コダックVISION2 5218)のシャープネスと解像度を、現行の高いレベルに保ったまま、より微粒子にすることを要望されていました。これが実現されれば、特にスーパー16で撮影し、急速な進化をみせるデジタル ポストプロダクションで仕上げる場合に大きなプラスになると期待できるからです。
 

質問: コダックVISION3 500Tフィルムの開発では、どのような新しい技術を導入したのですか?

ディスタント: まず、コダックVISION2シリーズで導入された、ツーエレクトロン センシタイザー(増感剤)、三層構造の緑感光層・赤感光層などの技術を改良しました。

また、VISION2フィルムの高感度層乳剤に使われていた改良型現像促進剤を新しいものに変更し、赤の各乳剤層にはより効率の高い高活性型カプラーを採用しています。さらに、新しくダイ・レイヤリング・テクノロジー(DLT: Dye Layering Technology)を開発し、VISION3フィルムの赤感光層と緑感光層に導入しました。こうした技術開発によって、新しい乳剤は光をより効率的に捉え、処理することができるようになりました。DLTによってフィルムの感度を落とすことなく、捕捉した映像をより細かな粒子で記録できるようになりました。同時に、VISION3には、サブミクロン・イメージングセンサーを採用しています。このセンサーは、本来スチル写真用に開発したコダック社のコアテクノロジーを応用したもので、露光の多い部分で、画像の識別能力が高まるという特徴があり、結果として映像の忠実度が増すことになりました。
 

質問: 今回、導入された技術は、映像製作者、特にシネマトグラファーにとって、どのような特長や利点をもたらすのでしょうか?

ディスタント: DLTと新しい改良型現像促進剤の併用によって、アンダー露光しても粒子やノイズが目立たなくなりました。これによって、極端に光量が少ない条件でも画質が格段に向上するのです。アンダー露光域での粒子が非常に細かくなりましたので、より高い感度設定でこの新製品を使用することもできます。

また、サブミクロン イメージングセンサーの導入によって、画像の識別能力やS/N比がよくなった結果、明るいハイライト部のディテールをより豊かに記録しますので、撮影時に白飛びを心配しなくてもよくなりました。また、デジタル ポストプロダクションでは、画像の劣化なしにハイライト部からより多くの情報を引き出すことができます。
 

質問: この新製品はデジタルポストプロダクションのワークフローにどのような影響を与えるのでしょうか?

ディスタント: シャドウ部とハイライト部の両方で、トーンスケールがより直線的になったこと、S/N比が向上したこと、さらに解像度が上がったことが相まって、デジタルポストプロダクション作業において高い柔軟性をもたらします。これはポストプロダクションにおける作業時間の短縮とコスト削減につながります。VISION3はワークフロー全体を通して作業効率を改善します。
 

質問: この新製品では、どのようにしてハイライト部のラチチュードを広げたのですか?

ディスタント: VISION3では、ハイライト部の直線部が2絞り分広がるように、特性曲線を変更しました。さらに、ラチチュードの拡張分をカバーできるよう、センシトメトリーに使用される露光域を4.0からから5.0へと拡張しました。
 

質問: デジタル撮影機器メーカーの中には、オプチカルのポストプロダクションやテレビモニターでの再生、映画館のスクリーンへの映写でも画質が落ちるのだから、フィルムと解像度やダイナミックレンジを競う必要はないという意見もありますが、どのように考えますか?

ディスタント: はじめから画質が最高レベルなら、映像はさらに美しさを増し、テレビや映画館のスクリーンに映し出されたとき、製作者が意図した以上の仕上がりになります。もちろん、映像をiPodで再生したり、You Tubeでストリーミングするのなら、フィルムを4Kの解像度でスキャンする必要はありません。しかし、HDTVや映画館での上映を目的とし、ストーリーを語る上で映像が重要であれば、はじめから最高のダイナミックレンジと解像度を持つ媒体で撮影するべきではないでしょうか?
 

質問: 今も進化し続けるフィルム技術ですが、可能性はどこまで広がるのでしょうか?

ディスタント: コダック VISION3の発表は、非常に重要な躍進でした。でも、私たちはここで立ち止まるつもりはありません。これからもお客様の声に耳を傾け、より高い目標に向かって前進します。コダック社の研究・開発陣は映像製作者に方々のお役にたつ新しい製品・技術を開発して参ります。
 

 

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