デジタルシネマを語る
クリス・トステヴァン氏 エンパイア シネマ 、ハイ ウィッカム 映写マネージャー
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クリス・トステヴァン氏 |
クリス・トステヴァン氏はハイ ウィッカムに勤めて10年目になります。8年間映写技師として働いたのち、現在は映写マネージャーとして他の映写技師の指導と、機器の管理・運営を担当しています。ハイ ウィッカムでは全6スクリーンにコダック デジタルシネマ システムが設置されています。
デジタルに寄せる期待
私はハイ ウィッカムがデジタル化されるのを楽しみにしていました。以前デジタル システムを見て感心したからです。立場上、デジタルの設置は様々な課題(つまり映写室内の混乱と激変!)に直面する大変なことになるだろうと予想していました。確かに設置は大変な作業でしたが、間違いなくそれに見合うだけのメリットがあります。デジタルシステムの能力には大変感動しています。
デジタル上映について
映画の長さにもよりますが、当館では通常1日あたり平日は3~4回、週末は5~6回上映を行っています。まだ、予告編ではフィルムもありますが、シネアドと映画本編は基本的にデジタルです。現在でもまだ2作品、フィルムで本編を上映しているスクリーンがありますが、言い換えれば6つのうち5つのスクリーンはデジタル上映ということです。状況は週によって変わりますが、たいてい大作はデジタルで配給されています。フィルムも2~3本入ってきますが、その数はだんだん少なくなってきています。
デジタルとフィルム
私はフィルムで何年も仕事をしてきましたので、悪く言うつもりはありませんが、デジタルに比べて、フィルムプリントのクオリティは、明らかにばらつきが大きいと思います。クオリティの点から言うと、私が今までに見た中で最高のデジタル映画は最新の「パイレーツ・オブ・カリビアン」ですが、それが、私が今までに見た最高のフィルム プリントである「ロード・オブ・ザ・リング」より優れているとは言いきれません。ただ、それは封切ってから1週目に限ってのことです。フィルムは劣化し、キズや汚れがつきますが、デジタルはそうなりません。その面では、デジタルは明らかにフィルムに勝っているといえます。
観客の反応
ハイ ウィッカムでは、マネージャーたちが自ら調査を行い、デジタル上映に対するお客様の声を集めています。これまでのところ、デジタル化について非常に好意的な反応が得られています。この映画館には様々なお客様が来場されますが、映画を学んでいる学生さんも非常に多く、彼らは映画をよく知っており、良い意味で違いに気がついています。
映写技師にとってのデジタルが持つ柔軟性とは
デジタルシネマの場合、フィルムを整理したり編集したりする必要がないので仕事が楽な一方、コンテンツプレーヤーに読み込ませるのに同じくらい時間がかかります。デジタルによって時間の節約にはなりませんが、その分柔軟性は増しています。ブッキングの面では、フィルムは通常1本しか貰えませんので、1つのスクリーンでしか上映できません(インターロックさせない限りは)。デジタルなら、ファイルが1つあれば6つのスクリーンすべてで上映することもできるのです。
全コンテンツプレーヤーへのプリローディング
デジタルの場合、週ごとに映画をスクリーン間で物理的に移動させることがないので、実用的な見地からは仕事が楽になりました。現時点では、新しい映画が届いたら、とりあえず全てのコンテンツプレーヤーに読み込ませ、上映が終了したら削除しています。デジタルファイルはすでにコンテンツプレーヤーに読み込まれているので、あとはフィルムの予告編だけ移動させればよく、とても簡単です。この映写室には余分なスペースがないのですが、デジタル化によりフィルムを保管するためにあちこちで場所を取ることがなくなりました。これは大きなメリットで、本当に仕事が進めやすくなりました。
TMSがもたらす価値
当社にはまだコダックシアター マネジメント システム(TMS)はありませんが、TMSを導入すると、セントラル サーバーに1度コンテンツを読み込ませるだけで済み、プレイリストの作成もセントラル サーバーでまとめて行えるようになるということなので楽しみにしています。現状では、6つのコンテンツプレーヤーそれぞれに手作業で映画コンテンツをローディングせざるを得ません。しかも、ハードドライブはすぐ返送しなければならないので、週ごとのスクリーン移動に備えて、すべてのコンテンツプレーヤーに手早くローディングする必要があります。最終週のスケジュールが決まるまでハードドライブを置いておくことはできませんので、常時6台のコンテンツプレーヤーすべてが全コンテンツを抱えていることになるのです。あやうく容量が足りなくなりそうになったこともありました。幸い、新しく届いた映画がファイルサイズの小さな短い作品だったからよかったものの、もし長いものだったら、別のスクリーンで上映中のものをどれか削除しなければならないところでした。
広告と予告編のつなぎ
私たちがデジタルで受け取っている広告は、それまでフィルムで受け取っていたのと同じものですが、フィルムの時はすぐにキズがついていたことを思うと、今のデジタル広告は見た目がとてもきれいです。広告が予告編の後に入ることについて問い合わせを頂いたこともありますが、その理由は、ある予告編はフィルムでしか入手できず、現在のオートメーションではデジタルからフィルムに切り替えて、また本編でデジタルに戻すことができないからです。
サービスの重要性
デジタル機器は、手を触れられる部品がほとんどない、私には分からない無数のコンポーネントでできた大きなブラックボックスです。コンテンツプレーヤーの仕組みは分かりますが、コンポーネントまでは分かりません。フィルム映写機なら何をどうすればいいか分かるものの、現在求められている信頼性にフィルム上映は見合っていません。デジタルは自己完結型の装置ですから、部品の磨耗のような問題は起こらず、その代わり何か不具合が生じたときには、コール センターへの問合せが重要になります。コダックのサービス部門の方々には非常によく対応して頂いています。
使いながら覚える
私たちは英国で最も早くデジタル化した映画館の1つですので、実際に触れながら学んでいる感じです。コダックは設置作業のかたわら、私たちにシステムの使い方を教えてくれました。使い方をより良く理解するには、すでに設置済みの環境でトレーニングをすれば都合がよかったのでしょうが、そういう場所はありませんでした。理想を言えば、実際に運用する前に1週間通してシステムを試験稼動させたいところですが、休まず映画を上映している忙しい映画館では、それは現実的ではありません。ですが、システムは覚えやすく、すぐに使い方を把握でき、お客様に最高のサービスを提供できるレベルに達しました。
個人的に学んだこと
新しい技術の習得は刺激になり、システムがどんなふうに機能しているかを学ぶことは興味深いことです。映画を番組編成するプロセスについても初めて学びました。フィルム上映だった頃は、番組編成には関わるきっかけはありませんでした。当チェーン唯一の、全6スクリーンでデジタル上映している劇場となった今、映画興行の新しくて面白い面を経験させてもらっています。
コダックとの提携について
コダックのシステムは大変使いやすく、運営システムとインターフェイスはシンプルで、不満は何もありません。コダックのサービス部門は頼りになり、その上親切です。呼べば来てくれますし、呼ばなくても何か問題がないかどうか見に来てくれることもあります。彼らは最高の仕事仲間であり、コダックが提供するサービスやサポートなら間違いはありません。
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