2015年3月30日
コダック合同会社
[リリースNo.15-09GE]
コダック、2014年度第4四半期および通期決算発表。
戦略的技術事業の主力製品が好調で業績を改善
業績概要
●2014年度通期の純損失は前年比で4億1,100万ドル改善。事業活動での現金支出も5億3,900万ドル改善
●2014年度通期の売上21億ドルは予測範囲内(21億ドル~23億ドル)
●通年の営業活動EBITDA 1億5,400万ドルも予測範囲内(1億4,500万ドル~1億6,500万ドル)。通年の純損失は1億1,800万ドル
●戦略的技術事業の主力製品は、年間を通して売上と利益の改善を達成
●第4四半期の売上5億2,900万ドルは前年同期から8,000万ドル減少。これは主に成熟事業分野での減収(想定内)と外国為替の影響によるもの
●第4四半期の純損失は前年同期の5,700万ドルから4,100万ドルに減少
2015年度予測
●2015年度の営業活動EBITDAは、外国為替とワンタイムの知的財産ライセンス収入の影響を調整した比較ベースで、2014年度から60~90%改善して1億ドル~1億2,000万ドルになると予測
イーストマン・コダック社(ニューヨーク証券取引所銘柄コードKODK:以下コダック)は、2014年度第4四半期および通年の決算報告を行いました。今回の報告は、戦略的技術事業の主力製品の伸びとコスト構造の改善を反映した内容となっています。
2014年度第4四半期の純損失は、前年同期の5,700万ドルから1,600万ドル改善し、4,100万ドルまで減少しました。
第4四半期の純損失は下記のマイナス影響を含み、その総額は4,400万ドルとなっています。
●事業再構築費用および2012年~2013年の組織再編から継続した再編費用の合計1,900万ドル
●通貨評価や為替制限によるベネズエラ国内の資産価値評価に関連した費用1,600万ドル
●無形資産価値の減損に関連した費用900万ドル
コダックCEO(最高経営責任者)のジェフ クラークは、次のように述べています。
「第4四半期の営業活動EBITDAは、前年同期比で40%改善しました。生産性の向上とコスト構造の見直しについては、当初の計画を上回る実績を上げています。コダックは今後も収益力の維持に向けて、成長と営業レバレッジの双方に注力していきます」
第4四半期の売上は、前年同期から8,000万ドル減の5億2,900万ドルとなりましたが、これは主に、当初から予測されていた成熟事業分野での大幅減収と外国為替のマイナス影響によるものです。
2014年度通期の純損失は、2013年度の純利益19億9,000万ドルに対し、一般会計原則ベースで1億1,800万ドルでした。これには、組織再編項目による利益20億1,000万ドルなど、特別項目での正味25億ドルがプラスに作用しています。特別項目を調整後の比較ベースで、前年比で4億1,100万ドル改善しました。
014年度通期の売上は、2013年度の23億5,000万ドルに対し、21億ドルでした。Kodak Sonoraプロセスフリープレート、Kodak Flexcel NXプレート、Kodak Prosperプレスを始めとする戦略的技術事業の主力製品全体の売上は68%と高い成長率を達成しました。ただし、この成長は、当初から予測されていた成熟事業分野での大幅減収で相殺される形になっています。
コダック決算概要
単位:100万ドル | 2014/4Q | 2013/4Q | 2014年度通期 | 2013年度通期 |
売上 | 529 | 609 | 2,102 | 2,349 |
粗利益 | 109 | 98 | 456 | 488 |
利益率 | 20.6% | 16.1% | 21.7% | 20.8% |
純利益(純損失) | (41) | (57) | (118) | 1,988 |
営業活動EBITDA[1] | 35 | 34 | 154 | 150 |
[1] 営業活動EBITDAは、セグメント別総損益に減価償却費を加え、非継続事業部門に配分されていた費用の再配分、企業再生法脱却に伴う会計処理の影響、株式報酬のための支出および一部のコンサルティング費用を除いたものです。また、セグメント別総損益は会社のセグメント別利益の基準であり、事業再構築費用、組織再編項目(正味)、年金その他の退職後給付による出費/収入(セグメント別収益情報に関する会社の公的申請での規定による)、他の営業利益/経費(正味)、その他の利益/経費を含みません。
セグメント別報告
グラフィックス、エンタテインメント&コマーシャルフィルムズ(GECF)およびデジタルプリンティング&エンタープライズ(DP&E)というセグメントでの業績報告は当四半期で最後となります。2014年12月に発表したように、コダックは「機動力」「競争力」「企業家精神」の更なる充実に向け、2015年1月1日より新体制に移行しています。
現在のコダックは「プリント システムズ」「エンタープライズ インクジェット システムズ」「マイクロ3Dプリンティング&パッケージング」「ソフトウェア&ソリューションズ」「コンシューマー&フィルム」「知的財産ソリューションズ」「イーストマン ビジネス パーク」の7事業部制をとっています。2015年度の決算報告はこの体制に準じて行う予定です。
グラフィックス、エンタテインメント&コマーシャルフィルムズ(GECF):このセグメントはGECF関連の各グループのほか、コダックの知的財産権およびブランドライセンシング担当部署で構成されます。
GECF財務概況
単位:100万ドル | 2014/4Q | 2013/4Q | 2014年度通期 | 2013年度通期 |
収入 | 359 | 398 | 1,434 | 1,508 |
粗利益 | 59 | 40 | 242 | 231 |
利益率 | 16.4% | 10.1% | 16.9% | 15.3% |
販売費および一般管理費(SG&A) | 42 | 58 | 190 | 241 |
研究開発(R&D) | 6 | 6 | 21 | 20 |
セグメント利益(損失) | 11 | (24) | 31 | (30) |
営業活動EBITDA[1] | 36 | 35 | 170 | 143 |
GECFの2014年度第4四半期の売上は、エンタテインメントイメージングフィルムの大幅な売上減少とプリプレスソリューション事業での価格競争が響き、前年同期の3億9,800万ドルから3,900万ドル(10%)減の3億5,900万ドルとなりました。
すでに発表の通り、コダックはハリウッドの大手スタジオ6社と映画用フィルム供給について最終合意に至っています。コダックは、フィルムを基本的な撮影メディアとして存続させることについて、有力な映画監督や独立系アーティスト、スタジオ、製作会社、現像所と幅広い議論を重ねてきました。その結果として、ここしばらくはフィルムの売上が急落することはないと予想しています。
デジタルプレート事業のユニットボリュームは、Kodak Sonoraプロセスフリープレートの売上の持続的な伸びに牽引されて増加しました。2014年9月以降、800社以上が新規にSonoraプレートを採用した結果、ユーザー総数は2,000社を突破し、この勢いは2015年度に入ってもまったく衰えていません。
ジョージア州コロンバスの自社工場内にSonoraプレートの生産ラインを設置する作業も終わりに近付き、第2四半期末の生産開始を予定しています。Sonoraプレートへの移行はアメリカ大陸全体で進んでいますが、そうしたお客様のご要望に確実にお応えする道筋がついてきたと言えます。
GECFの第4四半期の営業活動EBITDAは3,600万ドルであり、2014年度通期では合計1億7,000万ドルに達しました。2014年度は2,700万ドルの伸びとなりましたが、その要因としてライセンス収入に加え、好調なグラフィックス事業(生産性向上、コストダウン、価格圧力をはね返すほどの販売量増加)が挙げられます。
デジタルプリンティング&エンタープライズ(DP&E):このセグメントは次の4グループで構成されます:「デジタル印刷」「パッケージ印刷・ファンクショナルプリンティング」「法人向けサービス・ソリューション」「コンシューマー向けインクジェットシステム」。
GECF財務概況
単位:100万ドル | 2014/4Q | 2013/4Q | 2014年度通期 | 2013年度通期 |
収入 | 170 | 210 | 668 | 803 |
粗利益 | 43 | 29 | 164 | 187 |
利益率 | 25.3% | 13.8% | 24.6% | 23.3% |
販売費および一般管理費(SG&A) | 34 | 51 | 153 | 195 |
研究開発(R&D) | 20 | 24 | 88 | 88 |
セグメント利益(損失) | (11) | (46) | (77) | (96) |
営業活動EBITDA[1] | (1) | (1) | (16) | 7 |
DP&Eの2014年度第4四半期の売上は、コンシューマー向けインクジェット事業と従来のデジタル印刷事業での不振が大きく影響し、前年同期の2億1,000万ドルから4,000万ドル(19%)減の1億7,000万ドルとなりました。
パッケージ印刷向けKodak Flexcel NXシステムの売上は順調な伸びを続けており、Flexcel NXプレートでの収入は38%増となりました。また、2014年度末までにKodak Prosperプレスが39台導入されていますが、この勢いは2015年度に入ってさらに加速しています。
DP&Eの第4四半期の営業活動EBITDAは、前年同期から横ばいのマイナス100万ドルとなりました。2014年度通期では前年度から2,300万ドル減のマイナス1,600万ドルとなりましたが、これはコンシューマー向けインクジェット事業と従来のデジタル印刷事業での減少によるものです。
2015年度の展望
総収入は18億ドル~20億ドルを見込んでいます。営業活動EBITDAは、ワンタイムの知的財産ライセンス収入および外国為替のマイナス影響に応じた調整後、2014年度から60~90%改善して1億ドル~1億2,000万ドルになると見込んでいます。
ジェフ クラークは次のように述べています。
「戦略的技術事業の主力製品は引き続き伸びていくと思っていますし、現在の勢いは新事業部制でさらに加速していくでしょう。この新体制のもとで各事業部がビジネスに邁進することで2015年度の営業実績を大幅に向上させると確信しています」
※本プレスリリースは米国イーストマン・コダック社より2015年3月16日付けで配信された英文のプレスリリースの日本語訳です。