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ドキュメントスキャナーの導入事例
| 株式会社リビングコンピュータ
社会的に医療費の拡大や新しい介護保険制度の導入など、国民全体が医療や保険に対する関心が高まりつつある。一方では健康保険制度の収支バランスの不均衡から、既存の健康保険組合の運営が厳しい環境を迎えつつあり、現行保険制度の中でいかに事務経費を抑えるかが大きなテーマになっている。株式会社リビングコンピュータでは、健康保険組合に対してレセプト(診療報酬明細書)の処理に効果的な手法を提案し、健保組合の事務効率改善に大きな貢献をしている。
レセプトとは医師が行った診療や検査の内容、処方された薬についてカルテに記載されたものを診療報酬点数表に基づいて点数化された請求書のことで、全ての医療機関から患者の加入している健康保険組合などに支払い基金を経由して毎月送付されてくる。1回の診療に1枚のレセプトが発生し、その数は国民全体で年間1億3,000万枚を越えるという。このレセプトの内容に基づいて、健保組合から医療機関に医療費が支払われる。そこで基礎となるデータとしてレセプトに記載された、疾病の内容と診察内容、投薬などを、健保組合が審査し、コンピュータに入力する。しかし前述の通り、膨大な枚数が全国からの医療機関から届けられるため、その入力作業はかなりの人手と時間と費用を要する。
RIPSによるレセプト処理
そこでこの業務の生産性を高めるためにモホークグループによって開発されたRIPS(Recept Image Picking System)は、レセプトをイメージとして取りこみ、必要な項目のデータエントリーを効率的に行い、健保組合におけるレセプトの検索や抽出、印刷業務を飛躍的に向上させることができるソフトウエアだ。「そのシステムの全体構成は、レセプトを高速スキャナーで読みこみ、イメージからOCR(光学式文字読取り)によりコードデータを作成する受託処理システムと健保組合にパソコンのソフトとして導入し検索に用いるシステムとの2つの部分で構成されています」と語るのは、このシステムの販売を担当する営業統括本部 本部長 冨高雅史氏。レセプトの入力作業を外注することができる受託エントリーシステムでは、毎月届けられるレセプトを1日平均約30,000枚処理することができる。レセプトの読取りにはコダック高速ドキュメントスキャナーDS7500Dを使用している。実際にリビングコンピュータ グループでは、自社でこのシステムを使い、複数の健保組合から入力作業をアウトソーシングとして請け負っている。「通常、レセプトのプリントアウトはOCR読取りが前提のため、タイプBのフォントを用いていますが、医療機関によって使用しているコンピュータがまちまちなため、必ずしも同じ条件で読み取ることができるとは限りません。ですから、あらゆる条件のレセプトを最良のイメージとして読取るために、スキャナーには高い画質品質が要求されるのです。その点、コダック高速ドキュメントスキャナーDS7500Dは私達の想像を超える画質でスキャンすることができました」(冨高氏)。その秘密は、DS7500Dに搭載されている、ATP機構(Adaptive Threshold Processing=適応二値化処理)にある。ATPとは、イメージを構成する画素(1つ1つの点)を、白にするか黒にするかの判定を固定された濃度基準で単純に決定せず、画素の周囲の状況に合わせて基準値を変化させるという、画期的な画像処理技術のことだ。これにより、文字のかすれや紙のしわなどの影響を最小限に抑え、極めて高い品質の画像を作ることができる。スキャナーによって読取られたイメージは高性能なOCRエンジンによってテキスト情報に変換処理される。中には手書きのものもあり、それらはスキャンしたイメージの画面を見ながらキー入力される。
レセプトの開示請求にも対応
健保組合側の検索システムは、毎月のレセプトのイメージを記録したCDを用いて、最大3年間分の検索が可能になる。「この検索の必要性は、健保組合としての調査や確認業務はもちろん、その他には、被保険者からの検索要求に応えてのケースがあります。というのは、1997年6月より被保険者から保険者への開示請求が一部条件付きではあるが可能になったことで、レセプトやカルテに記載された個人情報の開示を求める声が聞かれるようになったということです。しかし、現実には健保組合では、毎月大量に発生するレセプトの中から該当の1枚を捜すことは容易なことではなく、レセプトを現物のままで保管し検索するには被保険者番号順に並べ替えて保管しなければなりません。限りあるオフィススペースの中で整然と保管するのは困難で、開示要求に応えるのは並大抵のことではありません」(冨高氏)。ここでもリビングコンピュータ グループのRIPSはいとも簡単にこの難題を解決している。まず、1枚のCDに約9,000枚のレセプトを収容できるので、机の引出し程度のスペースで数年分の保管が可能になる。しかも検索されたレセプトはイメージのままでプリントすることができるため、まさに、レセプトそのものからコピーを取ったものと変わらない画質である。これらの作業は驚くほどの手軽さでできてしまう。冨高氏は「現在では、まだ開示要求はそれほどないようですが、医療過誤や医療機関の診療のありかたについての関心がさらに高まるでしょうから、ますます増えて行く傾向にあると思います」と今後を予測している。
(この事例は2000年9月に制作されました。)
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